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コラム

コラム:米緩和縮小見送り、長期的にはアジアのリスクに

[シンガポール 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)はアジアにいっときの猶予をもたらした。だが、この安心感が長引けば長引くほど、地域の金融安定を損なうリスクが増すだろう。

9月19日、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和継続決定はアジアにいっときの猶予をもたらした。写真は3月、シンガポールで撮影(2013年 ロイター/Edgar Su)

FRBが緩和縮小を見送り、インドとインドネシアへのプレッシャーが緩和された。インドネシアルピアは19日午前、対ドルで1.9%上昇。ジャカルタ株式市場は5%高となった。

ただ、喜んでばかりはいられない。5月にFRBのバーナンキ議長が緩和縮小を初めてほのめかして以降、通貨市場に混乱をもたらしたことは一部で歓迎すべき反応をもたらした。インドネシアは超低金利を引き上げ、マレーシアは燃料補助金を削減。シンガポールは無担保金融規制を強化すると発表し、インドは国内産業に対する外資の受け入れを拡大した。

FRBは緩和縮小を見送ったものの、アジア諸国に余裕はない。

世界的な金融危機の直前から、香港では民間部門の債務が域内総生産(GDP)の73%ポイント分膨らみ、シンガポールでは国内総生産(GDP)の45%ポイント分拡大した。こうした小規模かつ開放的な国・地域は資本の大規模な流出入におそらく耐えられるが、マレーシアやタイにおける信用拡大は一段と懸念される。世界的な流動性過剰状態が長引けば長引くほど、後遺症も重くなるだろう。

確かに資本フローは一段と落ち着いているかもしれない。投資家は依然として、FRBが年内に緩和策縮小を開始するかもしれないと用心している。さらに、フィリピンを除き、アジアではほぼすべての国・地域でGDP伸び率が減速している。

同時に、インドとインドネシアを除きインフレ圧力がみられず、政策当局者は信用の膨張を抑えるために金利引き上げなどは行わないだろう。

シンガポールの実質実効為替レートは既に2007年末時点よりも20%上昇した水準にあり、同国の輸出は7カ月連続で落ち込んでいる。

また、中国経済が減速しているほか、日銀は積極的に緩和を進めている。これらはアジアの政策当局者が注意を必要とするさらなる要因だ。彼らの行動余地は非常に狭くなっている。

<背景となるニュース>

*FRBは18日、月額850億ドルの債券買い入れ規模を当面維持すると発表し、市場を驚かせた。

*バーナンキFRB議長は連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に行った会見で、労働市場の状況は依然として望ましい状況からは程遠いと指摘。政策当局者がここ数カ月における金融状況の急速なタイト化による経済成長への影響を懸念している、と付け加えた。

*アジア株は19日午前に上昇した。

*インドネシアルピアは1.9%高で取引が始まった。

*米FOMCが予想外の量的緩和縮小見送り、景気の足取り見極めへ

*アジア株が4カ月ぶり高値、通貨も大幅高 米緩和縮小見送りを好感

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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