[北京 8日 ロイター] 中国の胡錦濤主席が側近の胡春華・内モンゴル(内蒙古)自治区党委員会書記(49)を共産党指導部の要職に抜擢する人事を画策していることが、2人の関係筋の話で明らかになった。国家主席を退任した後も自身の影響力を維持する狙いがある。
党指導部関係筋によると、胡主席は次の人事で胡春華氏を最高指導部の中央政治局常務委員会の委員か、最低でも金融の中心である上海市の党書記に起用したい意向。
胡春華氏は北京大学卒業後、自ら希望してチベットに赴き、計23年間を同地で過ごした。胡主席の出身母体である共産主義青年団(共青団)で頭角を現し、共青団中央第一書記や河北省長などを歴任した後、2009年から内モンゴル自治区の党委書記を務めている。胡主席とは血縁関係はないが、非常に近い側近で、次期指導部入りが有力な若手政治家として注目が集まっている。
憲法の規定により、69歳の胡主席は来年初めには現職から退く必要があり、大規模な指導部の交代が行われる予定。胡主席の後任には習近平副主席が指名されるとみられている。
政治局常務委員を含む次期指導部の人事については、早ければ10月に開催される共産党大会で発表される見込み。新指導部の正式な発足は来年3月となる。
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