[北京 6日 ロイター] 中国共産党は8日から第18回党大会を開催する。複数の関係筋によると、胡錦濤・国家主席と習近平・国家副主席の2人は、次期指導部の選出にあたって民主的手続きを取り入れて初めての選挙を実施することを提案している。
3人の関係筋は、胡氏と習氏が5年に1度の同大会で党指導部である政治局員を選ぶ際に、初めての選挙を行うことを提案していると明らかにした。
現在の政治局は24人の局員で構成されるが、同案では定員を最大20%上回る人数の候補者を立てて選挙を実施し、今回の党大会で選出される約200人の中央委員が票を投じるとしている。
政治局員はこれまで、旧指導部が党内抗争の結果を踏まえて事前に選んだ候補者リストをそのまま承認するのが慣習で、外部からは選出プロセスが不透明だった。
今回の提案は、国民や外部に対して選出プロセスの透明性をアピールする狙いがあるとみられる。
同様の選挙が、最高指導部である政治局常務委員の選出でも実施されるかどうかは明らかではない。
関係筋の1人は「胡主席は、党内の民主化推進を実績の1つとしたい意向だ。また習副主席のイメージにとってもいいことだ」と語った。
米ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所のシニア・フェロー、Cheng Li氏は「これは非常に重大な進展だ」との見方を示した。
ただし、Li氏ら専門家は、党のほかの上層部から反対が出る可能性もあり、胡氏と習氏の提案が採用されるかどうかについては依然不透明な状況だと指摘している。
胡主席は党大会最終日に習副主席に党総書記の座を引き継ぎ、第5世代の党指導部が発足する予定。
国家主席ポストについては、来年3月に開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、胡主席が習副主席に引き継ぐ見通し。
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