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ECB総裁の欧州議会での証言要旨

[フランクフルト 19日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は19日、欧州議会で証言を行った。証言要旨は以下の通り。

 12月19日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、欧州議会で証言を行った。写真は欧州議会で(2011年 ロイター/Yves Herman)

<EFSFとESM>

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は行動する用意が整っており、またEFSFが自由に利用できるインフラやノウハウをECBが提供していることは、実際に必要な資源を提供する際にEFSFを支援するだろう。

恒久的な金融安全網である「欧州安定メカニズム(ESM)」の発動を2012年7月に前倒しし、EFSFを2013年半ばまで継続することが決定されたことで、ユーロ圏の危機支援制度に柔軟性が増した。

民間セクターの関与について、国際通貨基金(IMF)の慣例に従うと明記したことも、投資家の懸念払しょくに極めて有効だ。

またフィンランド議会の決定次第だが、ESMの採決規則に関し、緊急手続きを導入するとの決定もとりわけ危機時の効果的な政策決定過程にとり不可欠だ。

<通貨ユーロについて>

ユーロの強さに関しては何の疑問も持っていない。単一通貨ユーロは不可逆的だ。ただ、多くの時間を憶測することに割く人々は多い。こうした人々はユーロに対し破滅的なシナリオを描いている。

<EU首脳会議での決定>

ユーロ圏首脳が、EFSFとESMの多分野にわたる強化を決定したことを歓迎する。ユーロ圏の危機制御メカニズムの柔軟性が増した。

民間セクターの関与に関して、ユーロ圏諸国がIMFの確立した慣行を順守すると明確にすることも、投資家に安心感を与える効果がある。

非常時に対応した手続きをESMの採決ルールに盛り込む決定をしたことは、とりわけ危機下での効果的な意思決定プロセスにとり非常に重要だ。

<ECBの流動性支援措置>

厳しい状況が続く中、ECBは中期的な物価安定の実現を確実にするため、金利引き下げや非標準的措置の両面から多くの措置を講じてきた。

これらの措置により、一部のユーロ圏金融市場の根強い緊張が金融政策の波及メカニズムにもたらす悪影響を回避でき、とりわけ金融市場の緊張緩和や企業・家計への貸し渋り軽減に寄与するとみている。

すべての措置は総じて、銀行セクターによる流動性確保を後押するとともに、ユーロ圏金融市場の機能を促進し、その結果として実体経済に対する大規模な与信制限の影響を回避すること目的としている。

われわれは、ユーロ圏経済への信用提供を支援するため3年物資金供給オペの実施を決定した。この措置は金融市場の持続的な緊張が、域内銀の長期資金借り換え能力に影響を与えるリスクに対応したものだ。

<ユーロ圏の経済見通し>

ユーロ圏の経済活動は、非常に漸進的にではあるものの、2012年を通して回復する。

インフレは今後数カ月は2%を上回る水準で推移する公算が大きいものの、その後は低下し、2%を割り込むと予想される。

物価動向の中期的見通しへのリスクは引き続きおおむね均衡している。

<2012年第1・四半期に償還期限迎える債務>

来年第1・四半期だけでも2300億ユーロ前後の銀行債が償還を迎える。

同期間には約2500億─3000億ユーロの国債が期限を迎える。また年間通じて2000億ユーロ強のCLOと呼ばれる企業の担保債務の期限が到来する。

このため債券市場は、異例とまではいかなくても極めて強い圧力にさらされる。

<銀行の資本再編>

銀行は、資金調達面だけでなく自己資本不足の問題も抱えている。

<ユーロ圏共同債>

ユーロ圏共同債は財政統合という意味で理にかなうと言える。

国が財政運営方針について国家主権を手放せば手放すほど、共同債構想の利点は高まる。なぜなら、各国が独自に財政を運営し、独自の税制を持っていれば、共同の発行は考えられないからだ。国が互いに保証し合うということを想像するのは非常に難しい。

<ECBに付託された権限>「条約は、われわれに与えられた権限を中期的な物価安定の確保と明記し、金融政策による財政支援を禁じている。われわれは条約の範囲内で行動したいと考えている。条約に違反する行為はECBの信頼性に悪影響を及ぼすことにもなる。

<銀行の資金調達難>

われわれは、銀行が現在、資金調達面で深刻な制約に直面しており、この先、とりわけ2012年第1・四半期に状況は一層厳しくなると認識している。

第1・四半期だけでなく、2012年が銀行にとって厳しい年になるだろう。

深刻な信用収縮は成長をさらに減速させ、リセッションをもたらす可能性もある。われわれはそのような事態を防ぎたい。われわれが資金調達をめぐる圧力を緩和できれば、それでわれわれがかなりの対応をしたことになるだろう。

<緊縮財政措置>

緊縮財政措置は間違いなく経済収縮をもたらすと考えている。

われわれはこの収縮を短期間で終わらせることを目指している。また市場の信頼感回復、スプレッドの縮小や信用コストの低下、そして最終的には雇用創出につながるすべての手段を講じる意向だ。

<格付け会社>

重要な点が2つある。一つは、基礎的な方法論の適切さと格付けの透明性の確保。二番目に、法律や市場慣行において格付けの配線(hard-wiring)を減らすことだ。

格付けは複雑なリスクの評価を単純化したものだ。しかし、それは投資家、監督当局にもたらされる情報の一つであるべきだ。特に金融機関、その他投資家が独自に行う評価にとって代わるものではない。それが、外部の信用格付けに機械的に依存するのを防ぐための重要なステップである。

ユーロシステムは、これら方法論の限界を認識しており、その評価に機械的に依存しない。信用の質に関し、信頼に足ると考えられる情報に基づき、資産の活用を制限、または拒否する権利を有する。

われわれは最も重要な問題を自問すべきだ。それは、格付けなしでやっていく方法、格付け会社の格付けにとって代わるものをどのようにして持つかだ。なぜなら、われわれは、信用力の評価で、現在のように格付け会社の評価だけに依存するよりも、はるかに完璧な方法を確立したいからだ。今、格付け会社への依存を減らすためにわれわれができる具体的な措置が問われている。

*内容を追加して再送します。

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