[ベルリン 25日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が25日発表した10月の独業況指数は107.4となり、予想の108.0を下回り、6カ月ぶりに低下した。9月は107.7だった。
欧州経済のけん引役のドイツの景気回復がぜい弱であることが示された格好だが、トレンドが変化したわけではなく、独経済は堅調に推移するとの見方も出ている。
現況指数は111.3で、予想の111.6と9月の111.4を下回った。
期待指数は103.6。予想の104.5に届かず、9月の104.2も下回った。
KfWのエコノミストは「米国とイタリアの政治情勢がムードに影響した。しかし上向きトレンドは変わらず、ドイツ経済は回復途上にある」と述べた。
IFOのエコノミストは「ドイツ経済はエンジン全開には至っていない」と指摘。明るい面として製造業の輸出見込みは過去1年で最高水準に上昇したことを挙げた。
欧州経済のけん引役となっているドイツ経済は2012年は低調となったものの、今年第2・四半期には盛り返した。
IFOのエコノミストのKlaus Wohlrabe氏は、10月の業況指数は低調だったが「若干下落しただけで、トレンドが変化したわけではない」とし、独経済は堅調に推移するとの見方を示した。
業況指数は部門別で見ると、小売が最も大きく低下。ただ、製造業の輸出見通しは年初来の高水準となった。
VP銀行のトーマス・ギツェル氏は、「この日発表のIFO業況指数を含むすべての先行指数は、景気は今後回復するものの、回復ペースは明らかに緩やかなものになることを示している」 との見方を示した。
イタリアの政局不安に加え、米国が財政協議が難航したことでデフォルトの瀬戸際に立たされたことも、独業況感に影響を及ぼした可能性がある。
INGのカーステン・ブレゼスキ氏は「米国のデフォルト危機、および同危機による経済活動への影響、さらに為替相場の上昇は、ドイツの輸出を後押しするものではない」としている。
ドイツの第2・四半期の成長率は、主に内需が堅調だったことで押し上げられたが、第3、第4・四半期は減速するとの見方も出ている。
IFOは、ドイツの成長率は第3・四半期は0.3%、第4・四半期は0.4%になるとの予想を変えていない。
ただ、独経済は来年は勢いを取り戻すと見られている。政府は今週、2014年の成長率は1.7%と、2013年予想の0.5%から加速するとの予想を示している。
KfWのJoerg Zeuner氏は、「独経済は回復基調にある。2014年の成長率が2%に達するの予想も想像に難くない」と述べた。
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