[シンガポール 28日 ロイター] 28日のアジア通貨市場では、韓国ウォンの予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が引き続き低下した。中国がユーロ圏について信頼感を示したことや、北朝鮮をめぐる緊張が後退したことを受けて、ウォンは上昇している。
フィリピンペソも堅調な展開。リスクテークの動きが戻ったことから、国内の株式が上昇している。しかし、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイの各市場がきょうは休場なため取引は薄い。
ウォンKRW=KFTCは一時2.7%高の1ドル=1192ウォンをつけた。韓国当局はウォン高抑制のためドル買い介入を行ったもよう。
ウォンのインプライド・ボラティリティKRWVOLは、リスク警戒感の後退でスポット市場が回復したことを背景に、引き続き低下した。
1カ月の予想変動率は18.25%となり、前日の30.60%、26日の37%から低下した。26日は1年超ぶりの高水準だった。
フィリピンペソPHP=は0.6%高の1米ドル=46.19ペソと、1週間ぶり高値をつけた。国内株式市場.PSIの上昇が支援材料。
ドル/ペソNDF(ノンデリバラブル・フォワード)は下落。1カ月物は前日終盤の46.46ペソから、一時は46.25ペソまで下落したが、その後46.36ペソまで持ち直した。
一方、1カ月物のオンショアフォワードPHP1M=は、前日終盤の46.655ペソから46.361ペソに下落した。
ドル/人民元NDFは3営業日連続で下落。ユーロが安定化したことに加え、中国人民銀行(中央銀行)が28日の人民元の基準値CNY=SAECを1ドル=6.8279元とやや元高水準に設定したことが背景。
1年物NDFは前日の6.7410元から6.7264元に下落し、向こう1年間の元上昇率を1.51%と織り込む水準となった。前日の予想上昇率は1.29%。25日には、世界的なリスク回避志向の高まりを受け目先の元先高感が後退し、予想上昇率が0.63%の水準まで低下していた。
スポットの人民元相場CNY=CFXSは1米ドル=6.8301元で、基準値の6.8279元近辺となった。
*0557GMT(日本時間午後2時57分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
シンガポールドル ───
台湾ドル 32.008
韓国ウォン 1195.70
タイバーツ ───
フィリピンペソ 46.22
インドネシアルピア ────
インドルピー 46.51
マレーシアリンギ ───
人民元 6.8304