[コロンボ 15日 ロイター] 15日の東南アジア株式市場の株価は、ジャカルタ市場が銀行株主導で2週間ぶりの安値に下落したほか、他の大半の市場が値下がりした。米連邦準備制度理事会(FRB)が14日、連邦公開市場委員会(FOMC)後に出した声明で、米景気回復の弱さが浮き彫りになったことが株価に響いた。
ジャカルタ市場の総合株価指数.JKSEは0.85%安。終値ベースで12月1日以来の安値を付けた。ロイターのデータによれば、海外勢のインドネシア株売り越し額は1億2100万ドルと、10月19日以来の高水準だった。
ジャカルタを拠点とするバハナ・セキュリティーズの調査責任者、ハリー・スー氏は「投資家は年末の祝日を控え、利益を確定したがっている」と指摘。「銀行株は今年特に値上がりした部類で、海外勢を含め投資家は現在これを売っている」と述べた。
インターナショナル・インドネシア銀行(BII)BNII.JKが6.7%下落したほか、最大手の国営マンディリ銀行BMRIは1.5%安。
また一部の域内アナリストによれば、ジャカルタ市場における年末の海外勢の売りは、割高な株価水準も一因。トムソン・ロイター・スターマインのデータによると、インドネシア株は、今年の予想利益の14.9倍の水準で取引されており、これは域内で最も高い。アジア全体では13.3倍、タイ株は12.5倍、マレーシア株は13.9倍、シンガポール株は13.8倍、フィリピン株は13.4倍。
FRBが、米景気回復は失業を減らすには依然勢いが不十分との認識を示したことを受けて、他の大半の域内市場が下落して引けた。
マニラ市場の総合指数(PSEi).PSIは1.4%下落し、2週間ぶりの安値。シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI).FTSTIは0.94%下げ、終値ベースで11月30日以来の安値。バンコク市場のSET指数.SETIは0.19%安、クアラルンプール市場のクアラルンプール総合指数(KLCI).KLSEは0.1%安。
各市場の出来高は、90日平均に比べ少なめの水準だった。
ベトナム市場のVN指数.VNIが唯一値上がりし、0.78%高。安値拾いの買いが入り、11カ月ぶり高値を付けた。
バンコク市場ではエネルギー株が下落を主導。PTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)PTTE.BKが2.5%安、タイ石油会社(PTT)PTT.BKは1.2%安。
一方、病院経営最大手のバンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(BGH)BGH.BKは15.9%急伸し、3年ぶり高値。同社は国内の2病院の買収を発表したほか、今年の純利益が2割増加するとの見通しを示した。
シンガポール市場では、銀行最大手DBSグループ・ホールディングスDBSM.SIが0.1%安で終了。DBSは、英大手銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の北京、上海、深センの3地区におけるリテール(個人)・中小企業向け金融サービス事業を継承すると発表した。