[タクロバン(フィリピン) 10日 ロイター] - フィリピン中部を襲った猛烈な台風30号による死者が、1万人を超える恐れが出ている。国連によると、道路が各地で寸断されるなどしており、救助活動も難航している。
同国警察幹部は、レイテ州で8日、台風が通過した地域の約70─80%の建物が破壊されたと述べ、地元当局者の話として、死者数が1万人に上る可能性があるとの見方を示した。
フィリピン政府や災害対策本部からは、最新の死者数に関する情報の確認は取れていない。
壊滅的な被害を受けた同州タクロバンに入ったマヌエル・ロハス内相は、「ヘリコプターから見れば、被害の規模が把握できる。沿岸部から1キロ圏内で立っている建物はない。まるで津波(の被害)のようだ」と語った。
国連人道問題調整室(OCHA)は、今回の台風で約62万人が家を失い、950万人が被災したとの声明を発表。また、レイテ州に隣接するサマル州の災害対策本部関係者によると、同州では約300人が死亡した。
がれきが散乱しているタクロバンでは、行方不明になった家族を探す住民があちらこちらで見られた。娘2人を含む家族11人が行方不明になった妊娠8カ月の女性は、「今は何も考えられない。打ちのめされている」と涙を浮かべた。
*内容を追加し、写真を変えて再送します。
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