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バイオマス需要増大、貧困国で土地争奪戦も=研究団体

発電のために積まれたバイオマス(09年6月2日、米メーン州オールドタウン)

 【ロンドン30日ロイター時事】ロンドンに本拠を置く非営利の研究団体である国際環境開発研究所(IIED)は30日、バイオマス(生物資源)を利用したクリーンなエネルギーの需要が高まっており、この結果、食料安全保障や土地所有権の面で脆弱(ぜいじゃく)な貧困国で土地争奪戦が加速する恐れがあると警告した。

 IIEDは「このまま放置しておけば、土地確保への圧力増大により、世界の最貧国の中には生活や食料安全保障がむしばまれる国も出てくる」と指摘し、世界のバイオマス利用拡大計画に対する監視を強めるよう求めた。

 IIEDの報告によると、バイオマスは世界の再生可能エネルギーの77%を占めており、木や植物がそのバイオマスの87%を占めている。英国の計画だけでもバイオマスの需要は将来、年間6000万トンにも達し、同国のバイオマス発電所で現在燃やされている100万トンをはるかに上回る見通し。

 報告によれば、ドイツ、フランス、米国などの国々では、発電所近くの森林の木を使うといった現地調達方式が好まれている。しかし、中には木の需要が供給を600%も上回っている国もある。また熱帯地域の国々では木の生長が速い。そのため、一部の先進国が需要と供給の差を埋めようと、従来の供給源ではない南の国(熱帯諸国)に頼る公算が大きいという。

 既にブラジルの事業者の間では、欧州への木片の輸出に関心が高まっている。またアフリカは欧州の需要に対応する上で、重要な役割を果たす可能性が高い。

 IIEDの上級研究員で、報告の共同執筆者でもあるロレンゾ・コチュラ氏は、「食料とバイオ燃料にあらゆる注目が集まっているが、バイオマス・プランテーション(バイオマスエネルギー向けの樹木農園)が世界の土地争奪戦を加速させる重要な誘因になる日も近いかもしれない」と語った。

 同報告によれば、化石燃料価格が上昇し、バイオマス生産コストが新生産手法の開発とともに低下するにつれて、バイオマス・プランテーションは今後、魅力のある投資先になる可能性がある。またそれは、カーボンクレジット(炭素排出権)の売却などによって、投資家にとって一層の収入源になり得る。

 しかし投資家たちは、安い土地や恵まれた天候、そして割安な輸送コストを求めて、アフリカや東南アジアの一部諸国、つまり多くの国が食料安保を確立できておらず土地所有権も弱い最貧地域に殺到するかもしれない、と同報告は警告している。

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