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原発再稼働の道筋と福島の役割=十市勉・日本エネルギー経済研究所顧問

政府がなすべきことは、原発再稼働に向けて具体的な道筋を明確にすること、そして福島を世界最先端の放射線医学と除染技術の研究センターにすることだと、日本エネルギー経済研究所顧問の十市勉氏は説く。

十市勉氏は、日本エネルギー経済研究所顧問。1973年、研究員として入所。総合研究部長、常務理事・首席研究員、専務理事・首席研究員などを経て、現職。東京大学地球物理コース博士課程修了(理学博士)。米MITエネルギー研究所客員研究員を務めた経験もある。

同氏の提言は以下の通り。

●電力改革は利害得失を十分に検討せよ

エネルギー政策の策定は、時間軸(短期、中長期)と優先順位を明確にした上で、メリット、デメリットの客観的な評価を踏まえて決定すべきである。

特に、原発の全基稼動停止という異常事態が迫る中で、電力の供給不安と電気料金の値上げへの懸念が高まっている。

政府のなすべきことは、ストレステストの結果を踏まえて、国として安全確認を行い、地元自治体の了解を得るため最大限の努力を行うことである。原発再稼働に向けての具体的な道筋を明確にし、安全確認できた原発の再稼働に全力を挙げることで、国民や企業の不安を解消すべきである。

また現在、エネルギー基本計画の見直しに向けて様々な審議会や委員会で論議がなされているが、政府が最終決定の場と位置づけているエネルギー・環境会議での議論の透明性が求められる。

東京電力に対する国民的な強い不信感を背景に、発送電分離を含む電力産業の改革を一気に進めようとの動きがあるが、先行した諸外国での実例も十分に踏まえて、その利害得失を十分に検討した上で進めるべきである。

●福島を世界最先端の放射線医学と除染技術の研究センターに

福島事故の経験を、世界の原子力安全の向上、放射線影響の科学的知見の確立や除染技術の開発に活かし、その成果を日本から国際社会に向けて発信する。そのためには、福島を放射線の医学と除染技術分野における世界最先端の研究センターとなるように官民を挙げて支援していく。

今後、電力不足が深刻化する開発途上国を中心に原子力発電の利用拡大が進むと見られる中、日本がこれまで長年にわたり蓄積してきた原子力分野の技術を、世界の原子力平和利用に役立てることが、日本の責任であり、役割でもある。特に、低レベル放射線の健康影響について、医学的な追跡調査を継続的に実施し、正しい科学的な知識の確立とその普及に貢献する必要がある。

また、広範囲に汚染された地域における除染を効果的に行う技術や方法の研究と開発を進め、福島を世界の研究センターとしての役割を果たせるようにする。

(3月30日 ロイター)

(タグ:日本再生への提言 Energy1)

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