November 21, 2019 / 6:45 AM / 22 days ago

米中協議に不透明感で株価続落:識者はこうみる

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均株価は3日続落した。米中通商協議の「第1段階」の合意が来年まで持ち越される可能性が出てきたことで株高の前提に疑念が生じた。トランプ米大統領が米議会が可決した香港人権法案に署名する見通しと伝わったことも米中対立の激化を想起させ、東京市場では朝方から幅広い業種で売りが先行。下げ幅を一時400円超に拡大した。その後、中国の劉鶴副首相の発言が安心感を誘ったほか、後場、日銀のETF(上場投資信託)買いの観測などもあり下げ幅を縮小。節目の2万3000円を回復して取引を終えた。

 11月21日、東京株式市場で日経平均株価は3日続落した。米中通商協議の「第1段階」の合意が来年まで持ち越される可能性が出てきたことで株高の前提に疑念が生じた。2018年10月1日、東証で撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者のコメントは以下の通り。

<SMBC日興証券 チーフエコノミスト 牧野潤一氏>

米議会での「香港人権・民主主義法案」可決の後に注目されるのは、中国の対抗措置だ。トランプ米大統領が来年の大統領選で再選するには、貿易州であるテキサスでの勝利が鍵となる。同州の共和党支持率と中国向け輸出は連動しているため、もし中国が米国の農産品の購入を停止すると、再選は危うくなる。しかし、中国国内における農産品のインフレ状況を踏まえると、この種の対抗措置はあまり現実的ではない。米中対立の激化が警戒されているものの、極端な方向に向かう可能性は低いと考える。

株価の下げも限定的だろう。米中対立の激化はボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)を高めても、世界経済に与える影響は少ないからだ。世界情勢の不透明感が高まり、株価が下がっても、米連邦準備理事会(FRB)はリスクに対しての保険として利下げに動くだろう。これは逆にアップサイドリスクととらえることもできる。

<楽天証券 チーフ・ストラテジスト 窪田真之氏>

市場では米中通商協議の「第1段階」の合意が近いという期待が高まっていたが、来年にずれ込む可能性が出てきたと報じられている。香港情勢の深刻化に伴う人権問題も絡まり、「この部分をこうすれば合意できる」という条件が複雑になってしまった。多くの人は、米中は一時休戦し、米大統領選が終わった頃から再び対立が激化するという流れをメーンシナリオとみていたと思うが、一時休戦は簡単ではないというリスクが、きょうは意識されている。

センチメントは一日で変わるものなので何とも言えないが、この先、次世代通信規格(5G)に関連する投資が盛り上がっていくことはかなりみえている。米中対立が過激にエスカレートすることがないということが前提となるものの、5G関連や半導体関連への投資の盛り上がりが下支えとなり、日経平均は年末2万3000円のレベルを維持するとみている。仮に、米中が部分合意し、12月15日に予定される対中追加関税が先延ばしになった場合は2万5000円も視野に入る。

<大和証券 チーフテクニカルアナリスト 木野内栄治氏>

下げの要因として、環境面では米中対立の激化懸念、需給面では外国人投資家の買い一巡と大きく2点が考えられる。

人民元がやや元安に設定されたことで、これは米中対立において中国側が再びファイティングポーズを示すサインとして受け止めることができ、今後、米中対立が激化するとの懸念が一段と大きくなった。ここまでの株価上昇の要因が米中通商協議の進展期待にあっただけに、不安を増幅させる格好となっている。

需給面では、外国人投資家の動向だ。しばらく外国人投資家が大幅に日本株を買い越していたが、朝方発表された財務省の統計によると買い越し幅はこれまでの5000億円規模から1000億円台まで急減。今週に入って売り越しに転じた可能性もあり、これも気にされたようだ。

ただ、株価の下げは限定的になるとみている。ここから先は、配当金の再投資による買いが入るとみられる一方、米国の消費が好調と想定されるためだ。きょうの急落にはマーケット関係者は不安を抱いたものの、夏以降の上昇を踏まえれば、許容範囲の下げとみることもできよう。

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