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S&Pがユーロ圏9カ国一斉格下げ、フランスはトリプルA失う
2012年1月14日 / 00:21 / 6年後

S&Pがユーロ圏9カ国一斉格下げ、フランスはトリプルA失う

[ニューヨーク 13日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は13日、ユーロ圏9カ国の格付けを引き下げ、フランスやオーストリアが最上級の「トリプルA」格付けを失った。一方、ドイツはトリプルAを維持した。

 1月13日、スタンダード&プアーズはユーロ圏9カ国の格付けを引き下げ、フランスやオーストリアが「トリプルA」格付けを失った。エリゼ宮前で撮影(2012年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

フランス、オーストリア、マルタ、スロバキア、スロベニアの5カ国が1段階の引き下げとなり、ポルトガル、イタリア、スペイン、キプロスの4カ国は2段階の引き下げとなった。

また、その他7カ国の格付けを再確認するとともに、当該16カ国のうちドイツ、スロバキアを除くすべての格付け見通しを「ネガティブ」とした。

S&Pは、ユーロ圏の債務危機対策が不十分だと指摘。加盟国の経済競争力に歴然とした差があるという大きな問題が見過ごされているとし、「このため、財政健全化のみを柱とする改革は自滅的なものになりかねない。消費者の間で雇用と可処分所得に対する懸念が強まり、内需が減少し、税収の落ち込みにつながる」との見方を示した。

欧州中央銀行(ECB)が緊急流動性対策を通じて市場の信認維持を図っていることは評価したものの、政府の対応については、「ユーロ圏において継続中のシステム上の緊張に完全に対処する上で不十分な可能性がある」と指摘。信用状況ひっ迫や種々のユーロ圏債券発行体に対する金利コスト上昇、経済成長の弱まりなどがユーロ圏を取り巻く緊張として挙げられると述べた。

昨年12月9日の欧州連合(EU)首脳会議ではユーロ圏の経済統合強化に向けた新条約の草案策定に関して合意したものの、債務危機に歯止めをかけるべく一段と強力な措置が打ち出されるかどうかは依然不透明となっている。

<EFSFへの影響>

今回の格下げにより、ユーロ圏の借り入れコストは全般的に上昇する可能性が高いことから、債務問題はさらに深刻化しかねないとの懸念が根強い。

また今後、欧州の大手銀行や企業、政府系機関が相次いで格下げされる恐れもある。このなかにはトリプルA格付けを持つ欧州金融安定ファシリティー(EFSF)も含まれるが、EFSFが格下げされることになれば、基金の借り入れコスト上昇や重債務国に対する支援能力の低下を招きかねない。

S&Pソブリン格付け委員会のジョン・チェンバース委員長はロイターとのインタビューで、EFSFがトリプルAを維持するには、ドイツなど残されたAAA格の国がEFSFへのコミットメントを強化する必要があるとの見方を示した。

同氏はCNBCテレビに対し、ドイツの格付けに対する主なリスクは、財政状況や金融セクターの問題の悪化だとの認識を示した。

こうしたなか、ユーロ圏財務相は格下げを受け声明を発表し、ユーロ圏として財政規律強化に向けた新条約の合意に近づいており、救済基金の格付けを「トリプルA」に維持するべく全力を尽くすとの見解を示した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア為替ストラテジスト、マイケル・ウルフォーク氏は「欧州は今後も困難な状況が続く見通しだ」とした上で「ユーロ圏が将来的に政治的に統合されるのか、それとも経済的な統合にとどまるのかを含め、欧州首脳が決定を行う上で政治的支持が得られたと確信するまで、さらなる格下げや金利上昇の動きが予想される」との見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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