[11日 ロイター] 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は11日、欧州の債務危機は金融安定への「重大な」脅威になっており、世界の金融システムの強化に向けたここ数年間の進展が阻害される恐れがあるとの見解を明らかにした。
総裁は同地区連銀が主催したアジアの銀行に関する会合での講演原稿で「世界の金融システムは3年前と比べて強固になっているが、依然として脆弱(ぜいじゃく)だ」との見方を示した。
「欧州のソブリン債危機は欧州大陸だけでなく他の地域の銀行を脅かしている。明らかに金融システムに対する重大な脅威だ」と強調した。
米国の金融政策については言及しなかった。
ウィリアムズ総裁は、世界経済に対するリスクは欧州の危機だけではないと指摘。「世界の多くの地域で経済の基調が悪化しているようだ」とし、米経済成長は「緩やか」との見方を示した。
「国際的な金融機関の多くはレバレッジ水準の高い状態が続いており、市場からの不安定な資金調達に依存している。また依然として不良債権処理へ対処に追われている金融機関も存在する」との認識を示した。
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