September 5, 2012 / 6:42 PM / 6 years ago

ノキアが「ウィンドウズフォン8」搭載のスマホ発表、株価は急落

[ヘルシンキ/ニューヨーク 5日 ロイター] フィンランドのノキアNOK1V.HEと米マイクロソフト(MSFT.O)は5日、最新モバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン8」を搭載したスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)「ルミア920」を発表した。

9月5日、フィンランドのノキアと米マイクロソフトは、最新モバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン8」を載したスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)「ルミア920」を発表した。ニューヨークで同日撮影(2012年 ロイター/Brendan McDermid)

両社は、米アップル(AAPL.O)や韓国サムスン電子(005930.KS)、グーグル(GOOG.O)に支配されたスマホ市場で巻き返しを狙い、最後の大きな「賭け」に出た。

両社はかつて、それぞれ携帯電話機とパソコン(PC)のOS市場で圧倒的優位に立っていたが、スマホ市場では大きく出遅れており、タッグを組んで開発した新型ルミアで失地回復を図りたい考え。

今回発表された「ルミア920」と、より小型の「ルミア820」は、ともにウィンドウズフォン8を搭載。「ルミア920」は、手ブレを軽減する技術や、ワイアレスで充電が出来る機能を備えているほか、カメラを通して周囲の細かなところまで見ることができる技術も組み込んだ。

またサムスン製のスマホなどを意識し、画面は4.5インチと、従来機よりも拡大し、また鮮やかな画像を実現した。

価格や販売日程については、国・地域ごとに後日発表する見通しとしている。

ただ、投資家は新製品の発表に冷淡な反応を示し、ノキア株はヘルシンキ市場で13%安と急落。6月以来の大幅な下げを演じた。ニューヨークに上場しているノキア株も10%近く下落した。

投資家は新製品は「感動を与える」特徴がないとして、厳しい評価を下した。

アナリストは、ノキアが価格や販売日程などを示さなかったこともマイナス要因になったと指摘している。

RBCのアナリスト、マーク・スー氏は「問題は、他社の製品が第4代、第5代、第6代に進化しつつある中、ノキアは依然として『第1章』から移行しようとしているに過ぎないことだ。人々は『感動を与えてくれるもの』を期待していたが、多くの投資家の目には『進化(evolutionary)』しているが、『革命的(revolutionary)』ではないと映ったようだ」とコメント。

さらに「ノキアはある程度前進したが、投資家は『飛躍』を求めていた。そうした『飛躍』は示されなかった」と指摘した。

ニューヨークで「ルミア920」を試した多くの業界アナリストは、新製品は『いい機種』だが、ノキアのエロップ最高経営責任者(CEO)が言っていたような『既成概念を超えた』スマホではない、との見方を示している。

CCSインサイトの調査部門責任者、ベン・ウッド氏は「ルミア920は、ノキアとマイクロソフトが共同作業で生み出すと期待された革新の産物というより、既存ルミアの進化系のようだ」と評価。「(両社は)市場開拓に目から涙が出るような費用を投じ、積極的に低価格で新機種を提供しなければならないだろう」と見通した。

ノキアにとって新型ルミアは復活に向けた最後のチャンスとみられており、競争が激化しているスマホ市場で消費者の支持を得られなければ、ノキアの経営が厳しさを増すのは確実とみられている。

グーグル傘下となった米モトローラも同日新製品を発表する予定で、アップルは12日に新型「iPhone(アイフォーン)5」を発表すると予想されている。サムスン電子も来月にも「ウィンドウズフォン8」を搭載した新型スマートフォンを発売する見通しを示す。

ノキアは過去1年半に30億ユーロ(38億ドル)超の営業赤字を計上。1万人規模の人員削減や資産売却を余儀なくされている。

同社のスマホ市場でのシェアは、2007年の「iPhone(アイフォーン)」発売以前の50%をピークに、現在では10%以下まで低下している。

<消費者のスマホ切り替え、壁高く>

またマイクロソフトにとっても、新型ルミアの売れ行きは、ウィンドウズフォン8の成功を占う試金石となり、失敗すれば打撃は大きい。ストラテジー・アナリティクスによると、世界のスマホ市場におけるウィンドウズフォンのシェアは3.7%と、アンドロイド搭載機の68%、アップルの17%に大きく水をあけられている。

新型ルミアが成功すれば、携帯電話機メーカーや通信会社の間で、ウィンドウズフォンへの支持が広がり、風向きが変わる可能性がある。

ウィンドウズフォン苦戦の背景には、利用可能なアプリの数が不足しているとの事情がある。50万以上のアプリが利用可能なアンドロイドフォンやアイフォーンに比べ、ウィンドウズフォンのアプリは10万程度にとどまっており、大きく見劣りする。

またアップルの「iTunes(アイチューンズ)」や「iCloud(アイクラウド)」に代表されるように、アプリとコンテンツの結びつきが強まっていることも、ウィンドウズフォンには向かい風だ。

CCSインサイトの調査部門責任者、ベン・ウッド氏は、消費者はすでにアプリやコンテンツに多くの投資を行っており、これがアップルやアンドロイド勢の優位性を高めていると指摘。消費者にとっては「プラットフォームを切り替える魅力に乏しい」と分析している。

ウィンドウズフォン8は、10月26日に発売されるデスクトップPCやタブレット向けOSの「ウィンドウズ8」と類似している。そのためマイクロソフトは、デベロッパーが両方のアプリを開発しやすい環境にあると見込んでおり、これがウィンドウズフォン8の追い風になることを期待している。

ウッド氏は「消費者のウィンドウズブランドは、PC利用を通じて確立されている。ウィンドウズ8は支援にはなるものの、モバイル市場への移行に際しては、消費者の先入観を取り払うため、さらに多くの取り組みが必要となる」と指摘した。

ただ新型ルミアにとって、リサーチ・イン・モーションRIM.TORIMM.O 「ブラックベリー」の衰退や、グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」をめぐる最近の司法判断が追い風となる可能性もある。

米カリフォルニア州連邦地裁では前月、アップルとサムスン電子の間で争われていたスマホの特許侵害訴訟をめぐり、アップル勝訴の陪審評決が言い渡された。これを受け、サムスン電子のアンドロイド搭載スマホの一部は、米国での販売が禁止される可能性があり、メーカー側がウィンドウズフォンへの投資を拡大する要因にもなり得る。

*内容を追加して再送します。

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