[ニューヨーク 7日 ロイター] 7日のニューヨーク外国為替市場では、低調な米雇用統計を受け連邦準備理事会(FRB)が追加緩和を実施するとの観測が高まりドルが下落、対ユーロで約4カ月ぶり安値をつけるとともに、対円では一時78円まで下落した。
労働省がこの日発表した8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比9万6000人増にとどまり、市場予想の12万5000人増を下回った。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのグローバル外為戦略部門責任者、マーク・チャンドラー氏は、「雇用統計が予想を下回ったことで、FRBが来週、追加策を打ち出す可能性が高まった」としている。
また野村証券は雇用統計を受け、FRBは年内に量的緩和第3弾(QE3)実施を決定し、金利を超低水準に維持すると確約する期間を2015年に延長するとの予想を示した。
ユーロ/ドルは一時、5月下旬以来の高値となる1.2814ドルまで上昇。1.2660─1.2700ドルにあったと見られるオプションバリアを突破した。その後は1.4%高の1.2811ドルとなっている。
週初からは1.8%上昇。1週間の上昇率としては6月以来の大きさとなった。
ユーロ/円は一時2カ月ぶり高値に上昇。終盤の取引では0.6%高の100.24円となった。
雇用統計を受け、ドルは対円でも下落。ドル/円は0.8%安の78.24円。一時は78円まで下げる場面もあった。週初からは0.2%下落。3週連続での下落となった。
主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数.DXYは4カ月ぶりの低水準となる80.191まで、1%を超えて下落した。
ウエストパック証券のシニア外為ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏は、FRBによる緩和見通しが出ていることとECBが新たな国債買い入れプログラムを決定したことを踏まえると、ドルが継続的に上昇する可能性は低いとの見方を示した。
ドル/円 終値 78.24/29
始値 78.86/90
前営業日終値 78.86/92
ユーロ/ドル 終値 1.2814/17
始値 1.2712/17
前営業日終値 1.2632/36