[27日 ロイター] 年末のオンライン商戦の幕開けとなる26日の「サイバーマンデー」(感謝祭翌週の月曜日)は、インターネットを通じた売上高が前年比30.3%増加し、過去最高に達した。
IBMIBM.Nがまとめた米小売企業500社のウェブサイトを通じた取引データで明らかになった。
ウォルマート米国部門のオンライン部門、ウォルマート・ドット・コムのスポークスマンによると、「サイバーマンデー」の売上高は過去最高に達した。ウォルマートのモバイルアプリを経由した同社サイトへの訪問者数は前年比280%増加した。
また、アマゾン・ドット・コムAMZN.Oによると、アマゾンのタブレット端末「キンドル」の売上高は1日当たりで過去最高を記録した。具体的な数値は明らかにしていない。
売り上げ上位10品目のうち9品目はキンドルやキンドル周辺機器、デジタルコンテンツとしている。
アマゾンは「キンドル・ファイア」を30ドル値下げして129ドルで販売しており、サイバーマンデーの値引き商品としてはこれまでで最も売れ行きが良かったとしている。
パシフィック・クレスト・セキュリティーズのアナリスト、チャド・バートレイ氏は「キンドル・ファイアの需要は予想以上に強い。そのことは、短期的にアマゾンがアップルやグーグルとうまく戦っていることを示している。長期的には、キンドルの普及でデジタルメディアなどの販売も押し上げられるだろう」として、第4・四半期の「キンドル・ファイア」の販売見通しを550万台から800万台に引き上げた。アマゾンの第4・四半期売上高見通しについても222億5000万ドルから227億5000万ドルに上方修正した。
一方、調査会社のチャネル・アドバイザーによると、オンライン小売り大手のイーベイEBAY.Oは、年末商戦最初の5日間の売上高がライバルのアマゾンを上回ったもよう。チャネル・アドバイザーは、小売業者がイーベイやアマゾンなどのウェブサイトを通じた販売したデータを集計している。ただ、チャネル・アドバイザーのデータには、アマゾンが自社のサイトを通じて販売した「キンドル」などのデータは含まれていない。
チャネル・アドバイザーによると、イーベイやアマゾンなどのサイトを通じて外部の小売業者が販売したサイバーマンデーの「顧客売上高」は、イーベイが前年比55.2%増加。伸び率は前年の5倍に達した。
感謝祭から5日間の「サイバー・ファイブ」期間におけるイーベイの「顧客売上高」は前年比38.3%増加した。
それに対し、アマゾンの「顧客売上高」はサイバーマンデー当日が前年比42.4%、「サイバー・ファイブ」では同37.7%増加した。
チャネル・アドバイザーのスコット・ウィンゴ最高経営責任者(CEO)は、イーベイの「顧客売上高」がアマゾンを上回ったのは、少なくとも2007年以来初めてだと指摘した。
IBMによると、サイバーマンデーのネット商戦ピークは米東部時間午前11時25分。回線高速化など家庭のインターネット環境は改善しているものの、依然として職場先から商品を物色している消費者の姿が浮かび上がる。
またモバイル端末経由で商品をチェックした消費者は全体の18%程度と、前年から約70%増加。モバイル端末経由で購入した割合はサイバーマンデーの売上高の13%に達した。
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