October 23, 2012 / 6:57 PM / 7 years ago

アップルが「iPadミニ」を11月2日発売へ、予想より高価格

[サンノゼ 23日 ロイター] 米アップル(AAPL.O)は23日、タブレット端末「iPad(アイパッド)」の小型版である「iPad mini(ミニ)」を発表した。小型サイズのタブレットで先行する米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)や米グーグル(GOOG.O)を追撃する。ただ、価格は329ドルからと、予想より高めに設定されたため、専門家の間では、需要が抑制される可能性があると懸念する声も聞かれた。

10月23日、米アップルは、カリフォルニア州サンノゼで開催したイベントで、タブレット端末「iPad(アイパッド)」の小型版、「iPad mini(ミニ)」を発表した。同日撮影(2012年 ロイター/Robert Galbraith)

7.9インチのiPadミニは、アップルにとって初の小型タブレット。アップルはより大型のタブレット市場でのリードを守る一方、家電ハードウエアというホームグラウンドで他社の侵略を撃退する構えだ。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)とマーケティング責任者のフィル・シラー氏が、カリフォルニア州サンノゼでこの日開催されたイベントでiPadミニを発表した。iPadミニはサイズは小さいが、基本的にはフルサイズのiPadの機能や特徴の大半を備えている。

10月26日から予約受付を開始し、1週間後に出荷を始める。世界20カ国以上で発売される。

アップルのサイトによると、日本ではWiFiモデルが11月2日に発売され、価格は2万8800円から。携帯電話ネットワークを使用するモデルは11月下旬から販売される。

<価格は一部の予想より高め>

価格は、WiFiのみに対応するモデルで329ドルと、一部の予想よりもやや高めに設定された。高級感を維持するためとの見方もある。

半面、価格が499ドルとなっている主力の10インチのiPadの需要が侵食される一方で、199ドルで販売されているアマゾンの7インチ型タブレット「キンドル・ファイア」、さらにグーグルの7インチ型タブレット「ネクサス7」との競争に勝てないとの懸念も出ている。

デスティネーション・ウェルス・マネジメントのマイケル・ヨシカミCEOは「アップルは常に高品質のハードウエアを世に送り出してきた。つまりアップルはハードウエアを作る会社であり、グーグルの広告事業やアマゾンのオンライン販売事業など、他に収益を当てにできる事業を有していない」と指摘。その一方で「だが、高品質なアップル製品を求め、消費者は喜んでプレミアムを払う。(コンテンツやアプリケーションの)エコシステムを過小評価することはできない」としている。

アナリストはこれまで、小型iPadについて、マージンを犠牲にしてでも、安価な競合製品に対抗できる価格設定にすると予想していた。

JMP証券のアナリスト、アレックス・ガウナ氏は「価格は多くの人が心配していたレンジに設定され、率直に言って若干懸念している」とし、「iPadミニが、(iPadの)ラインアップの中でどのような位置付けになるか、現時点で推測することは難しい」とし、より高額なiPadの需要を侵食する可能性もあるとの見方を示した。「利益の出ない競合製品が出回る中、アップルには厳しい戦いになる」と述べた。

ベアード・エクイティ・リサーチが1000人以上の消費者を対象に行った調査によると、期待する最低価格は249─299ドルだった。

<アマゾンやグーグルと競合>

マーケティング責任者のフィル・シラー氏はイベントで、iPadミニをグーグルのネクサス7と詳細に比較、iPadミニの優位性を強調した。アップルが製品発表会で、特定の競合製品を取り上げるのは極めて異例であり、アップルが競争激化を意識していることがうかがえる。

シラー氏は、グーグルのネクサス7について「プラスチックでできている」とし、「アンドロイド製品はより厚く、重量もある」と指摘した。

アップルはまた、第4世代のフルサイズのiPadも発表した。6カ月ほど前に第3世代製品を大々的に発表したばかりだったため、市場の一部で意外感が広がった。価格は499ドルからで、より高速化・薄型化している。数日後には、米マイクロソフト(MSFT.O)が、独自に開発したタブレット端末の「サーフェス」を発表する予定となっている。

アップル株は23日、3.26%安で引けた。前日は4%上昇した。

アップルはこれまでに約1億台のiPadを販売。iPadの売り上げは第3・四半期売上高の26%を占めた。

iPadミニは、スティーブ・ジョブズ前CEOが死去する直前にCEOに就任したティム・クック氏の下で、アップルが発表した初めてのコンパクト端末。

ジョブズ氏は7インチサイズのスクリーンを持つ端末の導入には反対していたとされているが、韓国のサムスン電子(005930.KS)との特許訴訟の中で公表された内部の電子メールによると、ジョブズ氏は2011年初頭には小型端末の市場投入に前向きな姿勢を示していた。

クックCEOは、iPadミニについて「とてもクール」と述べ、すばらしいイノベーションを発表するとしていた約束を守ったと語った。

アップルが小型タブレット市場への参入に踏み切ったのは、アマゾンの「キンドル」、グーグルの「ネクサス7」の大成功があったからだ。

アマゾンは昨年12月、1週間で100万台以上のキンドルを売り上げた。ネクサス7も今年7月発売後、すぐに在庫切れとなったという。

3社は来月から本格的に始まる米国のホリデーシーズンで激突する。

<利益率圧迫への懸念も>

アナリストの間では、iPadミニ投入の結果、業界内で最高水準を誇るアップルの利益率が低下する可能性も指摘されている。7月に裁判所に提出した文書によると、2010年10月から2012年3月末までの米国でのiPad販売で、粗利益率は23─32%だった。

競合他社の利益率はさらに低い。IHSアイサプライの推定によると、アマゾンの初代のキンドル・ファイアはほぼ、損益分岐点の水準だ。またグーグルは、ネクサス7は実費で販売しているという。

モーニングスターのアナリスト、ブライアン・コレロ氏は、約330ドルという価格設定について「収益性の点からは、十分な粗利益率を確保できると思う」としたが、「販売は伸び悩むかもしれない」と語った。

*見出しを修正して再送します。

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