February 27, 2013 / 4:42 PM / 7 years ago

バーナンキ米FRB議長の議会証言での発言要旨

[ワシントン 27日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は27日、下院金融委員会で半期に一度の金融政策報告を行った。証言原稿は26日に上院銀行委員会で行った証言とほぼ同じ内容だった。質疑応答での発言内容は以下の通り。

2月27日、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、下院金融委員会で半期に一度の金融政策報告を行った。ワシントンで26日撮影(2013年 ロイター/Gary Cameron)

<考えられる出口戦略>

第1に、償還を迎えた証券について、現在行っているような再投資を行わなず、バランスシートから切り離すことが考えられる。

第2に、リバースレポなど、(金融)システムから準備預金を吸収する手段も多く有している。

第3に、超過準備預金金利の引き上げにより、バランスシートを縮小せずに金利を引き上げることも可能だ。超過準備預金金利の引き上げにより、短期金利が上昇する。

第4に、緩やかかつ予測可能なペースで、いずれ保有証券を市場で売却することが挙げられる。

それぞれの方法について試したことがあり、また他国の活用例も目にしているため、よく理解していると思う。

<緩和政策の解除手段>

準備預金金利など、これまで提案している手段は、他国の中銀も頻繁に利用しているもので、それぞれの環境で機能しているようだ。

<量的緩和効果>

回復は望ましいペースではないもののかなりの速さであり、他の先進国よりも力強い。

日本の金融政策に関する一つの解釈は、日本は慎重過ぎたということだ。日本が何年もデフレに見舞われていることは顕著な事実で、金融政策が物価安定を実現していないことを示している。周知の通り、安倍晋三首相と日銀新総裁はさらに大胆なデフレ対策を約束している。

量的緩和にはかなりの有益な効果があるとわれわれは考えている。

<失業率>

短期的に、経済には依然かなりの緩みが存在し、全ての資源を使っていないと考えられる。

予想するのは難しいものの、失業率が6%程度になるのは約3年後の2016年近辺とみるのが妥当だ。

<金利とバブル形成>

(バブルは低金利)政策に伴うコストであり、非常に真剣に受け止めている。FRBは不適切な可能性のある価格に目を向け、実際に不適切かどうか、またどの程度か、不適切な価格であるならどのような危険が生じるかを検証する。

(低金利政策を)とらなかった場合はどうなるだろうか。低金利には正当な理由がある。しかし、実際にこうした価格によるコストが十分大きいと判断した場合、当然考慮する必要がある。

<準備通貨としてのドル>

(ドルが世界の準備通貨としての地位を喪失する)兆候は確認していない。ドルの外貨準備に占める割合は縮小ではなく、実際のところ拡大している。少なくとも予見可能な将来において、ドルの準備通貨としての地位が損なわれることはないだろう。

<歳出の強制削減>

私が提案しているのは一段と緩やかな取り組みだ。赤字を容認し、長期的な財政再建が必要ないと言っているわけではない。米景気回復の観点から、一段と緩やかなアプローチが建設的だと考える。

将来的に埋め合わせできる限り、(歳出削減が)より緩やかであるほど、今年の回復期における雇用や成長への差し迫った影響は軽減される。

「危機」とは呼ばないが、議会が合意に達することができず、歳出の強制削減が発動されるといった事態が繰り返されれば、経済にコストが生じる。これは概して、信頼感にとり好ましくない。

<超過準備金利>

超過準備金利の引き下げ、もしくは小幅なマイナス金利とすることは可能だが、効果は非常に限定的だ。正しい方向だが、銀行の融資促進効果は極めて小さい。

超過準備金利を引き下げれば、短期金融市場全般のリターンを低下させ、短期金融市場やフェデラルファンド(FF)市場などの機能を阻害する。これが超過準備金利の引き下げに消極的な理由の1つだ。

超過準備金利引き下げによる景気支援効果が、市場機能の阻害というコストを上回るのかは明白ではない。

<出口戦略>

新たな出口戦略についてまだ見直していないが、近く行う必要があると考える。保有証券を全く売却しなくても、FRBのバランスシートが長期にわたり大規模というわけではない。

買い入れた証券をいつまで保有するのか、また保有継続を資産買い入れの代替策とするのかどうかが1つの課題だ。協議する価値があると考えているが、実施方法をめぐり極端なシフトは想定していない。

繰り返し申し上げるが、市場に事前に周知させ予測可能な状況にし、かつ円滑に金融緩和を解除できると確信している。

<時期尚早な利上げ>

適切な政策によって景気に弾みがつき、政策金利の持続的な上昇につながる。金利を性急に引き上げれば、景気回復を頓挫させ、金利は低下するだろう。そうなれば、長期的に超低金利の状況が続くことになる。

<州・地方財政>

州および地方政府の財政が安定化の様相を呈していることは好材料で、経済が今後幾分力強さを増すとわれわれが予想している理由の1つだ。その結果、今も継続しているレイオフが過去のようなペースで実施されるとは想定していない。

<銀行の準備預金>

銀行が特定のローン損失に対してではなく、一般的なリスクや信用損失に備えた準備金を積み立てるべきかどうかをめぐっては、長らく物議を醸している問題のひとつだ。

FRBは銀行による準備金の積み増しをおおむね支持している。そうすれば、銀行は未発生の損失に備えた準備金を積み増すことが可能となる。

<米財務省への国庫納付>

金利が非常に急速に上昇した場合、FRBから財務省に一切国庫納付しない期間が生じることもあり得るのが現状だ。

大半あるいはほぼすべてのシナリオで、危機前の標準を大きく上回る額を納付するだろう。

<持続可能な高いリターン>

預金者が持続可能な高いリターンを得る最善の方法は、経済を再びフル回転の状況にすることだ。金利を上昇させる最善の方法は、ある意味で逆説的だが、金利を性急に引き上げないことだ。なぜなら金利を低水準に抑えることで、経済強化や雇用創出、経済の勢い加速に寄与することができる。

こうすることで持続的に金利を上昇させることが可能だ。経済に一段の弾みがつくまで、持続可能なより高いリターンを得ることはできない。

<エネルギー生産と経済>

エネルギーはここ数年の米経済で明るい材料の1つだ。天然ガス生産は飛躍的に伸び、石油生産も拡大しており、向こう数年で少なくともエネルギー自給の段階に近づいていると言われている。これは多くの雇用を創出し、経済の多岐にわたる面でポジティブだ。

<新たな住宅ローン基準>

適格住宅ローン (QRM)が、適格ローン(QM)と同程度に、またはおおむね幅広いものだとする考え方はまさに検討されている。こうした基準が、信用力のある借り手がローンを利用することを妨げないよう、拘束するものとなるべきでないと議会が懸念を示していることに感謝する。

<低金利>

逆説的だが、金利を上昇させる最善の方法は金利を低水準にすることだ。なぜなら低金利は経済成長を促進し、金利を上昇させるからだ。インフレによる金利上昇ではなく、実質金利が上昇しているという事実はある意味で、経済がより力強くなっていることを示している。そのため経済が(低金利の)恩恵を受けているということを示している。

<医療費>

医療費の伸びはここ4─5年で幾分鈍化した。おそらくリセッション(景気後退)に加え、医療費の支払いが可能な人が減った、もしくは医療サービスを求める人が減ったことが一因と考えられる。

ヘルスケア分野に関しては、インセンティブや質、利便性の改善に向け、なおやるべきことが多く残されている。

<現在の政策は奏功>

仮に長期間何ら前進が見られなければ、(現在の政策の)有効性について協議する。ただすでに改善が見られるため進展が全くないという状況は想定していない。

現在の政策は、平均的な米国民に焦点を当てている。

われわれは景気支援に向け、官民セクターの雇用創出に寄与したと分析している。

<金融市場>

国債・住宅ローン担保証券(MBS)市場で、著しい問題は発生していない。問題を確認すれば、FRBは対処する。

<住宅市場の回復>

住宅市場が底を打ち、回復している確証がある。ここ数年で住宅価格は上昇し、住宅着工件数や販売戸数も大幅に増加した。住宅差し押さえ件数は依然高水準にあるが、減少しつつあるほか、住宅の価値がローン残高を下回る状態に陥っている住宅所有者の数も減少傾向にある。望ましいとされる状況からはまだ遠いが、住宅市場に弾みがついている確かな兆候がある。

<現行政策に対するFOMCの支持>

連邦公開市場委員会(FOMC)の大部分が現行の政策を支持している。

<財政政策>

証言では、一連の財政措置によって今年の成長が1.5%ポイントと極めて大幅に押し下げられることを示した議会予算局(CBO)の試算のみを引用した。

検討してもらいたい提案は、問題に合わせて財政再建の時期をより的確に調整することだ。すなわち、成長や雇用への影響が最も大きく、FRBにも影響を相殺する余地がない当座は措置を幾分軽減し、代わりに実質的な問題がなお残ると思われるより長期の対応に注力することだ。

財政再建は強く支持しているが、長期的な課題だと考える。一連の措置の前倒しを控えることを支持する。

<平等な機会の重要性>

誰もが機会に恵まれる平等な社会が望ましい。能力のある人物が出世したり良い教育を受けることができず、中間層に入ることができなければ、それは、その人だけでなく皆にとっての損失だ。

<大き過ぎてつぶせない金融機関の問題>

秩序だった清算に向けた権限について引き続き米連邦預金保険公社(FDIC)と取り組む。ある段階で議会がそのプロセスを見直し、経営難に陥っている機関のFDICの対処について適切かどうかチェックするのは良い考えだと思う。

<小規模銀行に対する規制>

簡素化し、小規模銀行の負担を減らす余地があるかどうかをみるため、小規模銀行に影響する規制の一覧表を作成するは価値のあることだ。

<財政引き締め>

米議会予算局(CBO)の見解では、財政引き締めによる雇用への影響が増えており、これまで何度も述べてきたが、FRBはこの問題を克服することができない。こうした財政引き締めによる影響を克服する十分強力な手段をFRBは持ち合わせていない。

<中銀間の連携>

金融政策に関して、われわれは意見を交換する。また異なる環境において経済に関しても頻繁に議論する。ただ、一般的な事としてお互いに合意し、一緒に、もしくは順々に行動を起こすという意味では、金融政策を直接連携させることはない。

<未使用の経済リソース>

経済が過熱しているとは思わない。働けるけど働いていない人、使用可能だが使われていない資本など、依然かなりの未使用のリソースがある。われわれがこれまで行った金融政策は、より力強い景気回復を実現させ、一段の雇用を生み出した。

*内容を追加して再送します。

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