[ニューヨーク 5日 ロイター] 5日の米国株式市場は反落。弱い雇用統計を受けて、米経済への信頼感が低下したほか、来週から始まる企業決算への警戒感が高まった。
米雇用統計は、非農業部門雇用者の増加数が前月比8万8000人増と、9カ月ぶりの低い伸びにとどまり、20万人増を見込んでいた市場予想の半分にも届かなかった。失業率は7.6%と、前月の7.7%から改善したが、労働参加率の低下が主因だった。
1日に発表されたISM製造業景気指数も3カ月ぶり低水準となるなど、このところ弱い経済指標が相次いでいる。
カルバート・インベストメント・マネジメントのナタリー・トゥルナウ最高投資責任者(CIO)は「再びさえない決算シーズンになる可能性がある。株式市場はすでに健全なリターンを提供していることから、やや弱含むかもしれない」と述べた。
株式市場はこれまで、米連邦準備理事会(FRB)への緩和期待や経済指標の改善を受けて上昇基調にあり、S&P総合500は年初来8.9%上昇している。
ダウ工業株30種.DJIは40.86ドル(0.28%)安の1万4565.25ドル。
ナスダック総合指数.IXICは21.12ポイント(0.66%)安の3203.86。
S&P総合500種.SPXは6.70ポイント(0.43%)安の1553.28。
週足では、ダウが0.1%安。S&Pが1%、ナスダックが1.9%それぞれ下落した。
小型株2000銘柄をカバーしたラッセル2000指数.TOYは週間で3%下落し、昨年6月以来の大幅な下落率となった。
個別銘柄では、ネットワーク機器サービスのF5ネットワークスFFIV.Oが19%急落。市場予想を大幅に下回る業績見通しを示したことが嫌気された。
F5の同業にも売りが波及し、ジュニパー・ネットワークスJNPR.Nは3.1%安。シトリックス・システムズCTXS.Oも1.2%値を下げた。
航空株も売られ、デルタ航空DAL.Nは2.4%安。ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスUAL.Nは0.1%安。
JPモルガン証券は米航空会社の2013─14年売上高予想を2─3%引き下げるとともに、一部航空会社では、連邦歳出の強制削減などが重しとなり、有効座席マイル当たりの月次売上高が落ち込むとの見方を示した。
トムソン・ロイターのデータによると、S&P総合500構成銘柄企業の第1・四半期利益の伸びは前年比1.6%増にとどまると予想されている。1月時点の予想は4.3%増だった。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は、年初来の1日平均の約63億6000万株に対し、約64億株となった。
騰落銘柄比率は、ニューヨーク証券取引所が約14対15。ナスダックは約3対5。
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