August 7, 2014 / 8:44 AM / 5 years ago

弱い6月輸出・生産、14年度成長率下押しへ=富士通総研・早川氏

[東京 7日 ロイター] - 元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローは7日、消費増税の駆け込み需要の反動が4、5月には概ね想定内で推移したが、6月の鉱工業生産や輸出、賃金などの経済指標はやや弱いと指摘した。

8月7日、元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローは、6月の鉱工業生産や輸出、賃金などの経済指標はやや弱いと指摘した。都内で3月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

そのうえで2014年度の実質経済成長率は0.6%程度と日銀の想定(1.0%)を下回るとの見通しを示した。

<6月の在庫増加・ボーナスの弱さ想定外>

7日のロイターとの取材の中で早川氏は、1-3月の国内総生産(GDP)は前期比年率6.7%増と急拡大したが、駆け込み需要で膨らんだのだから、4-6月は「その2倍、10%以上落ち込んでもおかしくない」と指摘した。同時に「6月の輸出、ボーナスなどは想定よりも弱かった」と述べた。

6月の鉱工業生産は在庫が2カ月連続で増加。「5月の増加は船待ちと想定し、6月は輸出が伸びると思ったが、6月の在庫は想定外に大きかった」と述べた。

輸出は6月まで2四半期連続で減少しており、「『弱含んでいる』というのが適切な表現」と指摘した。もっとも米経済の回復や中国景気の好転により「先行きもずるずる減少することはない」との見通しも示した。

ただ、「世界経済の回復の緩やかさと、日本企業の海外生産拡大の流れ、日本企業の競争力の低下──という3つの要因で、輸出は大きく伸びない」との持論を繰り返した。

一方、物価との関連で特に注目しているのが賃金。「6月の毎月勤労統計ではボーナスが(前年比0.3%増と)想定以上に弱かった」として、消費増税と物価上昇による実質賃金の目減りが、消費に相応の影響を与える可能性を懸念した。もっとも「ボーナスは7月に大きく伸びる可能性があり、今後の注目点」と強調した。

<設備投資による景気けん引に限界>

日銀内では、木内登英審議委員らから、輸出が増えなくても企業の設備投資がけん引役となり、景気回復は続き得るとの見方も出ている。これに対し早川氏は「輸出が伸びない中で、設備投資のみによる需要けん引は難しい」との見方を示した。

1-3月GDPの設備投資は前期比7.6%と大幅に伸び、政策投資銀行が5日公表した大企業の14年度設備投資計画は、前年比15.1%増と計画段階で24年ぶりの水準となっている。

早川氏は「1-3月の設備投資増加は、簡易課税事業者による駆け込みリース契約などで増加した可能性が高い。大企業の設備投資は期初の計画から下方修正して着地することが多くなっている」と指摘し、慎重な見通しを示した。

日銀は7月に2014年度の実質成長率見通しを従来の1.1%から1.0%に引き下げたが、早川氏は「10月にも再度下方修正する公算が大きい」とみる。

<すき家も値上げ、物価上昇は続く>

一方、物価は上昇が続くとみている。1─3月にプラスに転じた需給ギャップは4─6月にプラス幅が縮小するものの、7─9月以降もプラスが続くとの見通しを示した。

牛丼チェーン「すき家」の値上げを引き合いに、「価格転嫁のための値上げが、企業にとってもはや死活問題となりつつある」として、企業の物価観は着実にデフレ体質から脱却しつつあると強調した。

日銀が目指す2%の物価目標達成については「当初の日銀発表通り『2年程度』(2015年春ごろ)であれば100%無理だが、15年度中ということであれば、達成のハードルは下がる」と語った。

竹本能文、木原麗花 編集:田巻一彦

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