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アングル:日経平均が戻り高値更新、中期的には景気悪化・円高に警戒

 日経平均が6月9日に付けた戻り高値2万8389円75銭を更新し、チャート的には一段高をうかがう状況になっている。写真は東京証券取引所で2016年2月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 12日 ロイター] - 日経平均が6月9日に付けた戻り高値2万8389円75銭を更新し、チャート的には一段高をうかがう状況になっている。米国で7月の物価指標が市場予想を下回ったことで、過度な米金融引き締めへの懸念が後退。ショートポジションの巻き戻しが加速したとみられている。ただ、景気悪化と円高への懸念も根強く、中期的な波乱に警戒する声も出ている。

チャート上で、6月9日の戻り高値は3月25日の高値2万8338円81銭とダブルトップとなって、底値もみ合いのレンジ上限を形成する強力な上値抵抗線として意識されていた。祝日明けの12日の東京市場では、朝方から買いが優勢となり、この節目を一気に突破した。

この日のオプションSQ(特別清算指数)算出に絡んで「ロングポジションを有していた向きの現物買いへの振り替えも多いようだ」(国内証券)とされ、ショートの踏み上げも加わり、上値追いに弾みが加わった格好となった。

材料となったのは2つの米国物価指標だ。米消費者物価指数(CPI)に続き、米卸売物価指数(PPI)も7月は市場予想を下回った。ガソリン価格の下落が大きな要因であり、賃金などのインフレ圧力は続いているものの、市場では「インフレがピークアウトしたとの期待が広がった」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)という。米連邦準備理事会(FRB)による過度な金融引き締めに対する懸念が後退した。

原油価格は、WTI先物が1バレル=100ドルを下回る展開が続いているほか、日本の3月期企業の第1・四半期(4─6月)決算が全体としては比較的堅調で、日本株を取り巻く環境も好転している。「次の心理的目安である2万9000円どころか、3万円回復との声が聞かれても不思議ではない状況になった」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)という。

もっとも、短期的には強気に傾斜しながらも、中長期的には上昇は限定的との見方も多い。市場では「インフレ懸念の後退は、イコール景気悪化と捉えるべき。既に半導体関連企業にその兆候が見える。マイクロン・テクノロジーの決算などをみたらとても買えない」(国内証券)との声が出ている。

米半導体大手マイクロン・テクノロジーは9日、第4・四半期(6─8月)の売上高が6月に発表した従来予想の下限以下になる可能性があると発表した。パソコンやスマートフォンに使用される半導体の需要が減少しているという。

日本株の好決算にしても、4─6月期は輸出型企業の円安メリットが大きく貢献した。「CPIの結果をみれば、ここからドル/円相場も一本調子の円安はなく、円高に振れれば今後は輸出株の上値が重くなりそうだ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ投資ストラテジストの藤戸則広氏)との指摘もあり、円高が株価の上値を抑える要因になる可能性も警戒されている。

(水野文也 編集:伊賀大記)

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