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アングル:日経平均、約3週間半で安値から高値に 一段高予想も

[東京 14日 ロイター] - 日経平均が約31年ぶりの高値を付けた。年初来安値を付けてから約3週間半で節目を突破する急ピッチの上昇だ。短期的な過熱感はあるものの、「政局ラリー」に加え、新型コロナウイルスの新規感染者の減少に伴う経済活動再開への期待を背景に、一段高を予想する強気な見方も多い。

日経平均が約31年ぶりの高値を付けた。年初来安値を付けてから約3週間半で節目を突破する急ピッチの上昇だ。写真は2013年4月、都内で撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

<2つの株高要因>

取引時間中における日経平均の年初来安値は8月20日に付けた2万6954円81銭。そこから14日までの17営業日で約3800円上昇し、2月16日に付けた年初来高値3万0714円52銭を一気に突破した。

株価急騰には2つの要因がある。1つは「新型コロナウイルス感染者数のピークアウトの兆候が出ている」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)ことだ。

日経平均が安値を付けた8月20日は新型コロナの新規感染者数が全国でピークとなった日であり、その後、減少傾向に転じている。依然として重症者は多いが、経済の「リオープン(再開)」を期待して、小売業や、サービス業の関連株が上昇している。

もう1つは「政局ラリー」だ。9月3日の菅義偉首相の退陣表明までは内閣支持率の低下で、秋の総選挙で与党が大敗するリスクが警戒されていたが、一転して政策一新期待とともに与党政権継続への安心感が買いを呼び込んだ。

<ファンダメンタルズの裏付け>

景気回復・政治とも期待先行の材料だが、東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏は「今の相場の強さはセンチメントだけで形成されているのではなく、ファンダメンタルズの裏付けがしっかりしていることが背景にある」と指摘する。

アジア生産拠点での減産や、半導体不足の影響などの懸念要因もあるが、日本企業の業績は引き続き堅調だ。予想PER(株価収益率)でみると日経平均は14.0倍(日本経済新聞調べ)と、依然として歴史的にみた平均レンジの下限に位置する。

個別でも、予想PERは、トヨタ自動車が10倍台、きょう年初来高値を更新した日本製鉄は5倍台、日本郵船は3倍台だ。配当利回りが年5%を超える銘柄も多く、これから配当権利が確定する9月末まで権利取りの動きが活発化しそうなことも強気の見方を支えている。

単なる期待先行ではなく、収益面からの割安修正が進む中での株価の高値更新であり、「日経平均はさらなる上昇が期待できる状態」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)と強気な市場関係者は多い。

<「高値波乱」に警戒>

一方、短期的な高値警戒感や過熱感も強くなってきた。13日時点で日経平均は25日移動平均線との乖離率が7.2%、騰落レシオは140を超えるなど、過去の経験則では調整に転じるレベルに達した。そのため「中長期的な上昇トレンドが続くにしても、高値波乱とも言える調整局面が警戒される」(岡地証券の森氏)との声も聞かれる。

「供給制約による悪性のインフレが収まらず、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐシナリオが一番怖い」(マネックス証券・チーフ・ストラテジストの広木隆氏)との指摘もある。足元では、日本株と欧米株の連動性は薄れているが、海外環境が劇変することもリスク要因だ。

(水野文也 編集:伊賀大記)

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