November 21, 2014 / 1:13 AM / 4 years ago

衆院解散、12月14日総選挙でアベノミクスの是非問う

[東京 21日 ロイター] - 衆議院が21日、解散され、選挙戦が事実上スタートした。2012年12月以来、2年ぶりとなる衆院選は12月2日公示、同14日投開票の日程で行われる。安倍晋三首相は21日夕の会見で「この解散はアベノミクス解散だ」と述べ、アベノミクスの是非を問う選挙になるとの考えをあらためて示した。

 11月21日、衆議院は21日午後の本会議で解散された。この後の臨時閣議で12月2日公示、12月14日投開票の選挙日程が決定する(2014年 ロイター/Thomas Peter)

<争点は経済政策、解散「理解できない」が多数>

来年10月に予定されていた消費増税の延期を判断した上で、任期途中での解散に踏み切った安倍晋三首相は、この日の会見でも自らの経済政策を「前に進めるか、止めてしまうかの選挙だ」と明言。「私たちの経済政策が間違っているか、正しいのか。本当に他に選択肢あるのか国民に聞きたい」と語った。さらに「来年、再来年、その翌年も賃金を上げる。アベノミクスを続けることができれば、必ず実現できると確信している」と強調した。

これに対して野党は、実質賃金の低下や格差の拡大を踏まえ、「アベノミクスを継続して本当に国民は豊かになれるのか」(海江田万里民主党代表)と訴えていく考え。

アベノミクス以外にも、エネルギー政策や原発問題、安全保障など、争点は幅広い。安倍首相はこうした問題についても「すべてにおいて国民に訴えていきたい」としている。

一方、消費増税延期で与野党に対立がない中、予算編成にかかるこの時期に解散することには「大義なき解散」(枝野幸男民主党幹事長)との批判も強い。実際に各種世論調査でも、この時期の解散への国民の理解は高まっておらず、共同通信が行った衆院選トレンド調査では、首相の解散表明について「理解できない」との回答が63%に達している。

菅義偉官房長官は21日の会見で「解散されたら、そこはしっかりと、国民もなるほどなと思うようなかたちになると思う」と述べ、選挙戦などを通じて、国民の理解は深まっていくとの見方を示した。

安倍首相も「選挙戦を通じて経済政策をしっかり訴え、選挙の大義についても国民の理解をいただいていきたい」との考えを示した。

<勝敗ライン、実際は絶対安定多数の266>

首相は18日の会見で勝敗ラインについて「自公の連立与党で過半数を割れたら退陣する」と表明。過半数を目標とする考えを示したが、与党幹部らは「270議席くらいが妥当」(漆原良夫・公明党中央幹事会会長)とし、与党がすべての常任委員会で委員長を独占し、全委員会で委員の過半数を占める議席数である絶対安定多数の266議席を確保したい考え。

衆議院の定数は今回から5議席減り、475。過半数は238議席となる。解散前の勢力は自民294、民主54、維新42、公明31、次世代19、みんな8、共産8、生活7、社民2、無所属14、欠員1。自民、公明の与党で325議席(衆院議長を除く)を保有している。

<補正予算編成へ、来年度予算「年度内成立」に努力>

12月の解散・総選挙で、最も影響を受けるのが来年度の予算編成だ。景気への影響を最小限にするために、景気対策の財源裏付けとなる14年度補正予算編成を先行させ、来年度予算編成は越年となる見通し。政権交代となった2年前は、予算編成のずれ込みで50日の暫定予算を組んだが、今回は年度内成立を目指す。

麻生財務相は21日の会見で「経済対策を年内にまとめる。(14年度)補正予算は年を越すことになるが、補正予算で経済運営に万全を期す」と語った。さらに18日の会見では「予算の成立が遅れると景気の足を引っ張る」と述べ、なるべく年度内に来年度予算を成立させたいとの考えを示している。

来年度予算編成の焦点の1つが、消費税率引き上げの先送りで財源が宙に浮いた社会保障充実策の扱いだ。政府は、来年度から実施が決まっている待機児童セロ対策など子ども・子育て支援は実施する方向だが財源のめどはまだたっていない。医療・介護・年金関連の充実策についての対応は流動的。麻生財務相は「(増税を)延期する以上、社会保障充実分も見直さざるを得ない」とも述べており、財源をにらんで精査する考え。

概算要求段階で過去最大の101.6兆円まで膨らんだ一般会計予算規模を切り込み、15年度の基礎的財政赤字の対GDP比半減目標達成を満たすことができるかが課題だ。

一方、与党税調関係者によると、来年度税制改正大綱とりまとめは来年1月初旬となる見通し。

来年度改正は消費税率引き上げと連動する項目が多かったため、再増税延期で見直しが迫られている。争点の1つで、再増税と同時に廃止する予定だった自動車取得税は継続することになりそうだ。

一方、来年度からの法人実効税率引き下げの具体化と、与党間で既に基本合意した軽減税率導入の時期や対象範囲、安定財源などの具体化が焦点になる。

*内容を追加しました。

石田仁志 吉川裕子

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