[12日 ロイター] - 米鉄道大手カンザスシティー・サザンの取締役会は12日、カナダの同業カナディアン・パシフィック・レールウェイによる買収提案を拒否し、合意済みのカナディアン・ナショナル・レールウェイの提案を株主に推奨する方針を示した。ただ8月19日に予定するカナディアン・ナショナルの提案に関する株主投票について、米規制当局の判断が17日までに示されない場合、延期すると表明した。
カナディアン・パシフィックは10日、カンザスシティーに対し270億ドルの買収案を新たに提示した。カナディアン・ナショナルによる290億ドルの案を下回る額だが、反トラスト法(独禁法)上の懸念からカナディアン・ナショナル案は承認されないと見込んだ。
しかしカンザスシティーは財務や法務の顧問と検討した結果、12日にカナディアン・パシフィックの提案はカナディアン・ナショナルの提案に勝る点はなく、カナディアン・ナショナルとの合意を支持するよう引き続き株主に推奨する方針を示した。
カンザスシティーは5月、カナディアン・ナショナルによる買収案を受け入れたが、米規制当局の陸上運輸委員会(STB)は買収案の議決権信託構造についてまだ判断を示していない。議決権信託は、STBの正式な認可が出るまで、買収企業(カナディアン・ナショナル)による被買収企業(カンザスシティー)の支配から防護する仕組み。
STBは今週、買収計画について8月末までに決定を下す方針を示していた。カンザスシティーは、STBが17日までに判断を示さない場合、19日の株主投票を延期すると述べた。
カナディアン・パシフィックは12日、カナディアン・ナショナルの提案を巡る株主投票に関するカンザスシティー取締役会の方針を称賛した。
カナディアン・ナショナルもカンザスシティー取締役会の方針を支持する声明を発表した。
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