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[ヌルスルタン 10日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は10日、ロシアが主導する旧ソ連諸国の集団安全保障条約機構(CSTO)の首脳会議で、政府に対する抗議デモが発生したカザフスタンを外国が後ろ盾するテロリストから守ることができたとして勝利を宣言した。同時に、他の旧ソ連諸国もCSTOが守ると表明した。
プーチン氏はテレビ会議形式で開かれたCSTO首脳会議で、CSTOは「カザフスタンの国内状況の悪化を食い止め、テロリスト、犯罪者、略奪者などを阻止した」と表明。カザフスタンで発生した出来事は外部による内政干渉の試みだったと理解しているとし、「国内情勢が(外部から)揺るがされることは容認しないとCSTOは明確に示した」と述べた。
カザフスタンのトカエフ大統領は6日、燃料価格引き上げに対する抗議デモの一部が暴徒化したことを受けCSTOに支援を要請。この日のCSTO首脳会議で、「自発的な抗議デモという名目の下で騒乱が発生した。憲法で定められた秩序を破壊し、権力を掌握することが主な目的だった」とし、カザフスタンは「クーデター未遂」を回避したと述べた。
カザフスタン外務省は声明で、抗議デモ参加者には「イスラム教過激派組織で戦闘地域での経験がある者も含まれていた」と表明。ただ詳細については明らかにしなかった。
カザフスタンの治安機関、国家安全保障委員会は情勢は安定化し、統制が回復されたと発表した。
カザフスタンは10日を騒乱で死亡した人に哀悼を示す日に指定。国営メディアなどによると、少なくとも164人が死亡した。
ロシアは現在、旧ソ連構成国のウクライナとの国境沿いでの軍増強を巡り西側諸国と対立。ロシア主導のCSTOがカザフスタンの騒乱沈静化に向け早急に部隊を派遣したことは、ロシアが旧ソ連諸国を自国の影響下にとどめるために軍事力を行使する用意があることを示している。
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