[ヌルスルタン 6日 ロイター] - 中央アジアの旧ソ連構成国カザフスタンの中央選挙管理委員会は6日、前日行われた国民投票の結果、憲法改正案が承認されたと発表した。
より民主的な体制への移行を目指してトカエフ大統領が推進してきた改憲案が、国民の明確な支持を得たことが示された。
改憲案は、意思決定の分散化や議会におけるさまざまなグループの代表権拡大、カザフで長年権力を握り続けたナザルバエフ前大統領の影響力を排除する内容。
選管によると、賛成は77.18%。投票率は68.06%だった。
トカエフ氏は投票結果を受けて演説し、民主化改革を推進すると改めて約束した。「新しい公正なカザフスタンの建設に向けたわれわれの結束が示された」と強調した。
限られた人々が国の経済資源を独占し、特権的立場を享受することを可能にしてきた法律を見直す必要があると訴えた。
アナリストは国民投票の実施について、燃料価格の値上げに対する抗議から広範な不満の表明に発展した1月の暴動への対応という側面があると指摘する。カザフでは権力と富が大統領とその周辺に集中する政治体制の変革が数年前から求められてきた。
政治アナリストのドシム・サトパエフ氏は投票前に「トカエフ氏はこの点を理解している。だからこそ国民投票を利用して何かを変える人物として自分を位置付けようとしている」との見方を示した。
カザフ国民の多くはトカエフ氏を支持しているが、1月の暴動を鎮静するためにロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)に支援を要請したことについて、その後にウクライナに侵攻したロシアに借りを作ることになったとの批判の声もある。
カザフは西側諸国の対ロシア制裁の影響も受けており、欧州と取引する同国の企業は物流に著しい困難が生じている。
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