[東京 2日 ロイター] - [東京 2日 ロイター] - 渋谷和久内閣官房審議官は2日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米交渉が実は合意していたとの報道が相次いでいたのを受けて会見し、大きく前進したのは事実としつつも、特定品目で合意したが隠していることはないと否定した。
豚肉など特定品目の関税について先行決着することはないと強調した。
<嘘をついたと取られたなら心外と甘利担当相>
オバマ米大統領の訪日と平行して都内で開かれた日米協議について「豚肉と牛肉の税率を引き下げるなど、全ての項目で合意した」(2日TBS)といった報道が相次いでいる。渋谷審議官は「協議前の喧嘩別れのような状態からは相当前進した」としつつ、協議結果について「進展以上合意未満」と表現するにとどめた。 また一連の報道について甘利明TPP担当相が「嘘をついたと取られたならば心外」と述べたことを明らかにした。
<「日米で確定した内容ない」、報道にはコメントせず>
渋谷審議官は、米国があくまで全品目パッケージでの合意をめざしているため「特定品目で先に合意し、隠しているということはない」とした。
報道されている関税率についてはコメントを差し控え、「誤報かどうか(指摘するのに)ためらいがある」とも述べた。交渉では税率などで仮の数値を置いて議論するが、一度決めた内容を米国は次の会合で見直してきた経緯もあり、「合意とは動かないこと」「確定した内容は日米でひとつもない」と指摘した。
(竹本能文)
*内容を追加し、写真を変更して再送します。
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