[東京 20日 ロイター] - サッポロホールディングス 2501.Tは20日、2014年12月期第2四半期に酒税116億円の追加納付を特別損失として計上すると発表した。連結業績予想に与える影響については、今回の要素も含めて精査中で、修正が必要と判断した場合には、速やかに開示するとしている。
サッポロビール(東京都渋谷区)が昨年6月に第3のビールとして発売した「極ZERO」をめぐる問題では、今年1月に国税当局から、適用税率の区分を確認するために製造方法の情報提供を要請され、サッポロでも自主的に検証を続けてきた。現在も検証作業を行っているが、「酒税法に関する法令解釈に沿った形での事実確認には至っていない」という。ただ、時間が経過するほど延滞税が膨らむため、検証作業で結論は出ていないものの、自主的な修正申告を行うことを決めた。
同社では、当初の税率区分通りの「リキュール(発泡性)1」に該当すると認識しているという。このため、今後も自主的な検証作業を続け、確認できた場合には、税金還付のための更正申請を行うことも念頭に置いている。
サッポロHDの14年12月期の連結当期利益予想は50億円。追加納付額は当期利益の2倍以上の規模となる。当期損益が赤字に転落すれば、2003年12月期にホールディングスとして決算開示を始めて以降、初めてのこととなる。発泡性酒類の基本税率は350ミリリットルで77円だが、第3のビールが区分される「リキュール(発泡性)1」は28円。このため、「極ZERO」を発泡性酒類の基本税率として修正申告することで、これまでに販売した数量に対して、77円と28円の差額分の税金と延滞税の計116億円が発生する見込みで、これを特別損失として計上する。「極ZERO」は5月で製造をいったん取り止め、製造方法を一部見直し、7月15日から発泡酒として再販売することをすでに決めている。発泡酒の税率は350ミリリットルで47円。
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清水律子 編集:内田慎一
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