August 21, 2014 / 10:18 PM / 5 years ago

ロイター企業調査:労働力確保「困難」半数超す、4割が減益要因に

[東京 22日 ロイター] - 8月のロイター企業調査によると、人材確保が以前と比べて困難になっていると感じている企業が半数を超えていることがわかった。特に小売りでは8割、輸送用機器では7割に達し、人件費の増加が減益要因になる可能性があるとの回答も全体の4割を占めた。

8月22日、8月のロイター企業調査によると、人材確保が以前と比べて困難になっていると感じている企業が半数を超えていることがわかった。都内の建設現場で14日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

他方、10%への消費増税は過半数の企業が「やむなし」と回答。財政再建が急務であることや、増税に伴う反動減がさほど大きくないとの見方が背景にある。

この調査はロイター短観と同じ対象企業487社に対し、同時に実施した。実施時期は8月4日─18日。回答企業は280社程度。

<労働力確保、自動車や小売りでは7─8割の企業で困難に>

人手不足は企業活動に幅広い影響を及ぼしている。来年度の採用(正規・非正規全て)を増やす計画がある企業は製造業で全体の27%、非製造業では37%にのぼり、昨年8月調査の1割強に比べると、3倍前後に増えた。

しかし、労働力の十分な確保は難しくなっている。以前に比べて「かなり困難」になった、との回答が全体の17%、「少し困難」との回答が44%となり、あわせて6割超の企業で人材確保に苦労している姿が浮き彫りになった。中でも、輸送用機器と建設・不動産で7割、小売りで8割の企業が困難と回答している。

目立つのは派遣・アルバイトなど非正規の求人難だ。輸送用機器では「現場の期間工は集めづらくなった」、「関東圏の人材確保は困難な状況」との指摘が複数寄せられた。電機でも「必要な数の非正規社員が集められない」としており、ほとんどの業種で似たような声が挙がっている。また、技術者確保も困難な状況で、建設業では建設技術者や職人の確保が極めて厳しいとの声がある。情報通信業でも「採用予定の50%弱しか集まらない」ところがでている。また、非正規だけでなく正規社員でも「新卒採用が想定を下回っている」といった例が相当みられる。

ベースアップ(ベア)やアルバイト・パート時給の上昇、ボーナスなど一時金の増加など、企業の人件費増加は、すでに一部企業で収益に影響を及ぼしていることが伝えられているが、今回の調査では、4割以上の企業で何らかの影響が出ていることがわかった。

収益に影響なしとの回答が56%だったのに対し、今年度の減益要因になるとの回答が44%。そのほとんどが「1割未満の減益」と小幅減益要因にとどまるが、製造業では石油・窯業や輸送用機械の8割で、技術者や期間工不足が減益要因になるとしている。

非製造業では、建設・不動産、小売り、運輸・電力といった業種で5─6割が減益要因としている。

利益に影響はないとする企業からも「一人あたり人件費が上昇しても全体の最適化や売り上げ増により現状ではカバーできているが、将来が心配」(小売)といった声がでている。減益要因になっていると回答した企業からは「これ以上の人件費上昇には海外生産強化で対応せざるを得なくなる」(機械)といった指摘もある。ただ、「中国・東南アジアでの賃金上昇の影響の方が大きい」(電機)といった状況もあり、単に海外シフトするだけで解決できる問題でもなさそうだ。

<10%消費増税6割が実施容認、影響限定的との見方>

10%への消費税率引き上げについて聞いたところ、「是非実施すべき」、「実施はやむをえない」との回答が合わせて59%を占めた。そのほとんどが社会保障の安定財源を確保し財政再建を図ることは避けられない、との見方。また、「現状の景気状況は、当初10%への移行条件で考えた想定内にあると思われる」(電機)といった声もある。ただし「法人税率引き下げがマスト」(輸送用機器)、「政府の経費圧縮が前提」(同)など、条件も提示されている。

「延期すべき」は18%、「廃止すべき」は6%にとどまった。「所得増が追い付いておらず、購買意欲のさならる低下につながる恐れ」(その他製造業)、「8%への増税による影響が明らかに大きく、10%への増税は慎重になるべき」(鉄道)といった延期論もある。

10%への消費増税による駆け込み需要と反動減の大きさについては、今年4月の増税時よりも「大きくなる」との回答が21%、「小さくなる」、「さほど発生しない」が合わせて58%と半数以上にのぼった。

<売り上げの伸び悩みは主に国内>

今年前半、計画に対して売り上げが伸び悩んだ地域について聞いたところ、増税の影響が大きかった「国内」と回答した企業が50%を占め、次いで「中国」が29%となった。また「タイ」が17%にのぼり、3位となった。

海外での売り上げ伸び悩みの理由については、相手国の「景気状況」との回答が38%と最も多かったが、「現地での競争」を挙げた企業も23%を占め、2番目に多かった。競争相手としては、日本企業が28%と最も多いものの、中国企業にシェアを奪われたケースが14%と次に多かった。中国企業とは主に価格競争になっているとの指摘が多く、「品質、価格、納期等の総合力で勝てる体制を築くしかない」(機械)、「同じ土俵での勝負は避けるべき」(輸送用機器)など、差別化に苦慮する姿がうかがえる

中川泉 編集:石田仁志

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