[東京 21日 ロイター] - キリンビバレッジの佐藤章社長は21日の会見で、ダイドードリンコ2590.Tとの提携について「資本提携は考えていない」と述べた。他社との提携も含め、第3極を目指す考えを示した。
佐藤社長は「いろいろな人達と、どうやったら頼りにされる第3極を作れるかが、我々の役目だと思っている。志を同じくする社とは何かできそうだ」と述べ、ダイドー以外の社も含め、自販機事業での提携を行う可能性を示した。
キリンとダイドーは15日、自同販売機事業で提携すると発表。4月から、キリンの「午後の紅茶」2種と、ダイドーのコーヒー2種を相互の自販機に供給する。両社の自販機を合わせると54万台規模となる。
定価での販売が可能なため、飲料企業にとって自販機は利益率の高い販路。2015年の清涼飲料市場が前年並みから1%増となるなか、量販店に比べて自販機は割高となるため、自販機での販売は3%程度減少したという。
サントリー食品インターナショナル2587.TはJT2914.Tの自販機事業を買収。自販機事業トップのコカ・コーラグループとともに、2強の様相を強めている。こうした動きに対抗するため、第3位のアサヒ飲料は、昨年3月から大塚製薬と相互販売を開始。大塚の自販機にも販路を広げた缶コーヒー「ワンダ」は、2015年に発売19年目で過去最高の販売数量を記録した。
清水律子
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」