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キリンHD、上場来初の最終赤字へ ブラジル子会社の減損計上

[東京 21日 ロイター] - キリンホールディングス2503.Tは21日、2015年12月期の連結最終損益が560億円の赤字(従来予想は580億円の黒字)になるとの修正見通しを発表した。1949年のキリンビール上場以来、初めての最終赤字となる。

 12月21日、キリンホールディングスは、2015年12月期の連結最終損益が560億円の赤字(従来予想は580億円の黒字)になるとの修正見通しを発表した。写真は 都内で2013年1月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

子会社のブラジルキリンで2015年12月期に減損損失約1412億円が発生、約1140億円を特別損失として計上することが主因。

伊藤彰浩CFO(最高財務責任者)は会見で「現在、現地で減損テストを実施中だが、影響額が大きいため、ステークホルダーと少しでも早いタイミングで見通しを共有すべきと判断し、開示した」と述べた。

ブラジル経済の悪化により、消費が停滞。2011年に買収したブラジル事業は、販売数量減や通貨安に見舞われ、苦戦が続いている。

ブラジルキリンの2015年の営業損益は、174億円の赤字(14年は14億円の黒字)となり、期中に下方修正した98億円の赤字から一段と悪化する見通し。

買収時には、年率5%程度の成長がしばらく続くことを前提としていたものの、2013年年末から経済が停滞し、市場の伸びも見込めなくなっている。ブラジルのビール大手ペトロポリスにシェアを奪われるなど競争も激化するなか、通貨安によるコスト増、コスト増を反映した値上げによる一段の数量減などが幾重にも重なり、今回の大幅な減損につながった。今回、のれんは全額減損する。

ブラジル事業を担当している溝内良輔・常務執行役員は「来年も今年と同水準の営業赤字になる」との見通しを示した。来年は、1年間で2億レアルのコスト削減を実施するものの、今年8月ごろから急速に進んだレアル安が通期で効いてくる。溝内氏は「2018年には営業黒字化を目指したい」と述べた。

一方、ブラジルからの撤退、事業売却の可能性について、伊藤CFOは「ブラジルの再生に全力を尽くすことが経営に課された課題」と述べ、まずは再生に取り組む考えを示した。ただ、「売却というオプションは、大きな経営野選択肢の中で全く考えないというわけではない」とも述べ、ミャンマーなど新しい地域も加わった海外事業展開の中で、ブラジル事業の売却が選択肢に浮上する可能性もある。

今回の最終赤字見通しを受け、2016年1―3月の月額報酬について、会長と社長は30%を減額、ブラジルキリン担当執行役員など3人は20%減額、その他執行役員6人は10%減額する。

同社は、平準化EPSに対する連結配当性向30%を基準としている。特別損失の計上は、平準化EPSへの影響がないため、年間配当38円の予想については据え置く。

*内容を追加しました。

清水律子

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