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マイナス金利で日銀の収益基盤毀損、効果的追加手段ない=木内委員

[金沢市 23日 ロイター] - 日銀の木内登英審議委員は23日午後、金沢市内で記者会見し、マイナス金利政策が長期化すれば日銀の資本が毀損されるとの懸念を表明した。日銀の掲げる2%の物価目標を市場は達成不可能とみているため、日銀と市場の対話は困難になっているとし、実現可能な目標を早期に掲げる重要性を訴えた。技術的に追加緩和は可能だが、効果のある方策は残されていないとの見解を示した。

 6月23日、日銀の木内登英審議委員は、金沢市内で記者会見し、英国が国民投票の結果、欧州連合離脱を決めた場合、当初の金融市場でのショックに対する対応は流動性供給だとコメントした。写真は東京・日銀貨幣博物館で昨年11月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

<逆ザヤ続けば業務基盤毀損>

マイナス金利導入以降、「日銀は平均してマイナス金利による逆ザヤで国債を買い入れており、長期化すれば、通貨発行益(シニョレッジ)に支えられた日銀の業務基盤を揺るがし資本を毀損する」との懸念を表明した。

午前中に開かれた北陸経済人との懇談では、マイナス金利が必ずしも企業の設備投資につながっておらず、企業が設備投資を控えているのは金利が高いからではなく先行きの成長期待が欠けているためとの意見が出たと紹介した。

<2%達成不可能なため市場との対話は困難>

同委員は、日銀が掲げている2%の物価目標について、「日銀が『達成するまで(現行の金融緩和を)続けます、達成しない限りやめません』と言っても、市場が達成はできないと考えているため、(物価が)2%に達しない場合の政策について答えがない」として、日銀と市場のコミュニケーションが断絶していると指摘。達成可能性の高い物価目標を掲げる必要があるとした。望ましい物価水準について「中央銀行よりも民間の企業や家計の方が感覚を持っており、それを謙虚に吸い上げる必要がある」とも強調した。

<英離脱は流動性供給で対応>

同委員は、英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた場合は流動性供給で対応するとコメントした。その後、金融ショックの影響で日本経済が下振れると判断する場合は追加緩和する可能性もあるとした。

英国民投票の情勢については日銀が他の中央銀行と「不測の事態に備えて情報交換している」と述べた。すでに日銀は他の5中銀と通貨スワップの枠組みを備え、毎週ドル供給オペ(公開市場操作)を行っているため、「何か能動的な追加策はない」と説明した。

実体経済が下振れる場合の追加緩和を否定せず、「技術的に追加策はありうる」としたが、「副作用を上回る効果のある策は心当たりがなくなってきている」との認識を示した。

*1段落目の誤字を修正しました。

竹本能文

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