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日本の未来図:世界のルールメーカーへ、能動的に関与=小林氏
2015年9月2日 / 07:22 / 2年後

日本の未来図:世界のルールメーカーへ、能動的に関与=小林氏

[東京 2日 ロイター] - 自民党の小林鷹之衆議院議員は、日本のプレゼンスを高めていくために、世界のルールメーキングに能動的に関わっていくべきだとの認識を示した。人口減少問題が財政や社会保障問題の根源にあり、現実を直視する必要性を強調。団塊ジュニア世代の政治家として、次世代への責任を果たしていくとした。

──足元の課題と打開策について。

「生産年齢人口が減少局面に入っている。財政や社会保障を含め、あらゆる課題の根源がここに行き着く。そして、日本を取り巻く環境変化への対応と世界のルールメイキングへの関与。この2つが日本にとっての大きな課題だ」

「後者は、安倍政権の2年半に良い形で進んでいる。当面は人口減少が続くなか、より少ない人口でより多くの富を創出するために、し烈な国際競争を勝ち抜く必要がある。その意味で、国際首脳会議で安倍首相がリーダーシップを発揮し、日本が進む方向性について明確なメッセージを発信していることは国益にかなっている」

「環太平洋連携協定(TPP)を含めた経済連携協定、宇宙、サイバー、気候変動といった重要分野で、我が国の国益を追求するためにも、ルールを守る国からルールを作る国へと脱皮する必要がある。今後、世界のルールメーキングに関わるには、国家としての力、すなわち経済力、生産力、技術力そして軍事力(日本の場合防衛力)が必要だ。現政権が推進する成長戦略を確実なものとし、平和安全法制を成立させることが、その一里塚でもある」

──痛みを伴う改革には拒否反応も。財政構造改革にどう取り組むか。

「経済成長を第一に追求する安倍政権の姿勢は正しい。経済再生によるパイの拡大と個人所得を増やすことが最優先だ。だが、それと両輪で進めなければならないのが財政再建。次世代へのバトン渡しを考えると、歳出抑制は当然。特に、社会保障制度は、受益・負担の適正化を早急に図るべきだ」

「要は、我々世代の政治家が将来に危機感をもってはらをくくれるか否かだ。次世代の声なき声を、政治家が代弁していかなければ、この国の財政リスクはそう遠くないうちに顕在化する」

──どう具体化するのか。

「まずは歳出総額の約3割を占める社会保障費の伸びを抑制する。毎年の定額削減が良いとは思わないが、数年先をめどに暫定的にキャップをはめていくべきだ。また、地方自治体の財政規律を高める仕組みもビルトインすべきだ」

──政権与党は消費税10%超を避けていないか。

「今後の財政収支を見通せば、消費税率の引き上げは10%で打ち止めはありえない。政治家はその不都合な真実から逃げるべきではない」

「一方で、そこには生身の、多くの国民の生活があるし、昨年の消費増税後の景気後退が予想以上に大きかったことを踏まえると、増税時期については慎重に見極めなければならない」

──黒田緩和で市場機能をなくしている。

「第1の矢で日本経済の局面が変わりつつあるのは事実だ。第1・第2の矢で時間を稼ぐ間に、構造改革、成長戦略を進めることがポイントというのもその通りだ。ただ、今の量的・質的緩和は限界に近づきつつある」

「我が国の財政構造は金利上昇に極めて脆弱なのに、国債市場が異次元の金融緩和で流動性が低下し、本来のシグナリング機能が十分に果たせていない。そして最大の問題は、日銀が財政ファイナンスを行っているのではないか、という市場のパーセプションが具現化するか否かだ。突発的なイベントで局面は突如変わり得る。物価や景気の上昇が当初想定したペースにはなっていないとの理由で金融緩和を続けるとしても、市場との関係で限度がある。これ以上金融政策に頼ることはできないということを、政治家は強く自覚すべきだ」

──台頭する中国との向き合い方。

「中国経済の成長力を日本の成長のためにどう活用するかという視点と、経済成長による富を軍事費へと還流させる中国の動きをどう抑制するかという視点が必要だ。日本の国益の観点から戦略的に立ち回る必要がある」

「その点で、通貨・人民元の問題が非常に気がかりだ。中国は欧州などを中心に、人民元の国際化を戦略的に進めている。円と人民元の相対関係も変わりつつある」

「今年は、IMF(国際通貨基金)におけるSDR(特別引出権)通貨バスケットに人民元を組み入れるかという議論の節目の年。最近の中国政府による市場への様々な介入の動きに照らせば、明らかに時期尚早だ。人民元はまだ自由に交換可能な通貨ではないし資本規制も残る。通貨問題は、歴史を振り返っても、単なる国際金融上の問題ではない。外交・安全保障を含めた幅広い視点から捉えるべき課題。むしろ日本としては、米国などと連携しつつ、中国の経済システムを先進国並みに変えるためのカードとして戦略的に使っていくべきだ」

吉川裕子 編集:吉瀬邦彦

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