March 13, 2020 / 2:37 AM / a month ago

世界市場の波乱拡大、日経平均は一時1800円超す下げ:識者こうみる

[東京 13日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済に与える影響への懸念から世界の金融市場の波乱は日を追って拡大している。13日の東京市場では前日のニューヨーク株式市場の大幅下落を受け、日経平均株価が急落、一時は前日比1800円を超す下げとなった。

 新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済に与える影響への懸念から、世界の金融市場の波乱は日を追って拡大している。写真は東京証券取引所で2018年2月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者に見方を聞いた。

●デリバティブ投機で下げ加速

<東海東京調査センター シニアエクイティマーケットアナリスト 仙石誠氏>

つい最近まで日経平均が2万4000円だったのが夢のようだ。いまマーケットはグローバル規模でのパニック状態に陥っており、売りが売りを呼ぶ展開となっている。新型コロナウイルスの終息が見えてこないことを踏まえると、さらに下落する可能性は十分にある。世界各国の政策の協調性と一貫性が見られない場合、ぎくしゃくとしたマーケット環境が続くだろう。

下げの構造は、現金化、リスク・パリティ型の売り、AIの機械的な売りに加えて、デリバティブによりマーケットが押し下げられていることも考えられる。12日に東京証券取引所がまとめた3月第1週目の投資部門別売買状況では、先物と比較して現物の売り越しは限定的だった。また、株価が暴落するなか、信用取引を行っている個人投資家は維持率を保つためにも投げ売らないといけない。このようにさまざまな売りが重なり、今日の暴落が出来上がっている。

来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の政策決定会合が予定されている。金融政策の方向性がどの程度でマーケットの下支えになるかが注目点となる。

●NY連銀の流動性供給で早期の市場鎮静化も

<大和証券 金融市場調査部 チーフ・ストラテジスト 谷 栄一郎氏>

各市場でポジションのアンワインド(巻き戻し)が続いている。いつ終わるか予想するのは難しいが、そう長く続かない可能性もあるだろう。

今マーケットで起きている現象の1つは、流動性不足に対する換金売りだが、米連邦準備理事会(FRB)がアグレッシブな資金供給姿勢をみせている。

FRBの金融調節を担うニューヨーク連銀は連日、レポオペ等で短期金融市場に資金供給を実施している。また前日の発表で驚きだったのは、月600億ドルの資産購入について購入対象年限の拡大に踏み出したことだ。隠れQE(量的緩和)としての側面をより強める措置と言えよう。

マーケットはそれでもまだ不安定だが、今後も続くようであれば連銀は本気で抑え込みにかかるだろう。新型コロナウイルスを巡る不透明要素は多いが、来週のFOMC(米連邦公開市場員会)を過ぎても、市場が荒れているイメージは現時点ではもっていない。

●米国の大規模財政出動が底入れきっかけに

<大和証券 チーフテクニカルアナリスト 木野内栄治氏>

現金化の流れが止まらない。日米欧とも厳しい状態に置かれており、このままでは日本の年度末事情や、米国のリスクパリティの売りなど、テクニカル的な要因が一巡する今月末まで明確な底入れが確認できない可能性もある。

ここまで傷口を広げるきっかけになったのは、米トランプ政権による景気刺激策の提案に関し、議会がほぼ無視を決め込んでいるなど、米国内で危機感が共有されず、期待感が剥落したことにほかならない。

状況は2015─2016年の「チャイナショック」時と同様、原油価格の急落が暗い影を落とす。OPECプラスの減産協議が決裂したことで、OPECプラスの国営会社に比べて体力が劣る米シェールオイル会社が生産を諦めるまで油価下落が続くことが懸念される。そうなると、米政府は自国産業を守るためにOPECプラスに協調減産を求めることも考えられる。チャイナショック時の原油安は、G20政策総動員で解決した経緯がある。

今回は中国、日本、EUは現状で感染予防に重点を置かざるを得ない。それゆえに、市場は底入れのきっかけとして米国の大規模な財政支出を待っている。

●五輪が「人質」、日本株はより窮地に

<岡三オンライン証券 チーフストラテジスト 伊藤嘉洋氏>

世界的に株式市場は底がみえない状況となっている。そうした中で、日本株は海外勢から売りを浴びせられているが、世界の株式市場でより窮地に陥ったと言えそうだ。

日本の場合、新型コロナウイルス、原油急落に伴うクレジットリスクだけではなく、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期という懸念材料が加わる。かりに、開催延期になれば、これまで景気を支える材料となっていただけに、及ぼす影響の大きさは計り知れない。海外勢もその点を見越して日本株を外しにかかっているのだろう。日本の株式市場はここにきて五輪開催が弱みとなり、いわば「人質」に取られたようになった。

底入れするためには、インパクトがある材料が必要なのは言うまでもない。米国が空前とも言える財政出動をすれば状況が変わる可能性がある。

●投機の行き過ぎも、政策見ながら大底探る局面に

<東洋証券 ストラテジスト 大塚竜太氏>

外為市場でドル/円が105円台まで円安に振れたことを考えれば、いかに環境が一段と悪化したとしても、理屈では語れない。先物市場の動向などをみると、投機が行き過ぎたと言えるのではないか。

日経平均は年初来高値から3割下落しており、経験則からすれば、いったん下げ止まる水準だ。最も期待する材料は、米国の財政出動となるが、期待はずれとしても、出るには出たので、最初に明らかになった段階から底値を探る局面に入る。

政策が効かないとなれば、次々に追加策が出てくるのが、下げ相場における流れ。今後は政策が打ち出されるたびに株価は下げ止まり、それを繰り返しながら大底を探る動きになるのではないか。

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