June 6, 2014 / 1:12 AM / 6 years ago

ECB、マイナス金利など追加緩和決定:識者はこうみる

[東京 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は5日、ユーロ経済の支援に向け、政策金利を過去最低に引き下げるとともに、一連の追加支援策を発表した。また日本型のデフレリスクの回避に向け、必要なら一段の措置を講じると言明した。

 6月5日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ経済の支援に向け、政策金利を過去最低に引き下げるとともに、一連の追加支援策を発表。写真はドラギ総裁(2014年 ロイター/Ralph Orlowski)

市場関係者のコメントは以下の通り。

 ●大規模流動性が断続的に供給され、ユーロ安要因に

 <プレビデンティア・ストラテジー 外為ストラテジスト 山本雅文氏>

欧州中央銀行(ECB)の追加緩和を受け、ユーロは乱高下の後、足元では小幅高となっている。これは一連の追加緩和措置が不十分だったというより、むしろ、これまで累積したユーロの売りポジションに利食いの買い戻しが入った結果だ。

ECBは利下げに加えて、ターゲットを絞った長期リファイナンスオペ(TLTRO)を複数回実施するとしたほか、ABSの購入に向けた準備を強化し、主要リファイナンスオペ(MRO)を必要な期間継続し、過去に証券市場プログラム(SMP)制度の下で購入したユーロ圏国債の不胎化を停止すると発表した。

中でも、TLTROと不胎化停止を経由した流動性供給のインパクトは相当大きいと見られ、今後数千億ユーロ規模の資金が市場に断続的に供給され、ユーロの下押し圧力を醸成するとみている。

ユーロは、今回の緩和措置を予告した前回政策理事会前の1.39ドルから大きく下落していたため目先出尽くし感からのショート・カバーによって上昇しているが、先行き1カ月では1.35ドルを下回る余地もあるとみている。

 ●マイナス金利導入で手札減らした、ユーロ騰勢強める見込み

 <みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

欧州中央銀行(ECB)は、中銀預金のマイナス金利導入を含め、市場が予想した政策を概ねフルセットで示した。それでも、ECBが一番望んでいたユーロ安は起きなかった。

ユーロは今後、騰勢を強めるだろう。ECBの望まないユーロ高が続くと思う。これまでは、何があるかわからないからユーロ安になっていた面があるが、今回の発表で、手の内をすべて明かしたことになる。余程わかりやすく目新しい政策でもない限り、ユーロは買われるしかない。

マイナス金利導入の意義は、ユーロ安誘導しかない。しかし、ユーロは昨晩の発表後、いったん下げた後に戻し、足元ではむしろ高値を付けてしまっている。ECBにとって非常によくない結果だろう。

結局、ユーロ高が続く限り、消費者物価指数(HICP)は上がらない。今後インフレ率が下がってくれば、また次の一手を市場から要求される。資産買入型の量的緩和しかないだろうが、金融機関が応札するかは不透明だ。マイナス金利を打ち出したことで、むしろ手札を減らしてしまった。   

●年後半にも量的緩和実施へ 

 <BNPパリバ証券 日本株チーフストラテジスト 丸山俊氏>

LTRO的な資金供給と利下げは、想定通りの内容だ。ただ、実体経済への影響は薄い。日本の経験からいえば、追加緩和の実施で貸し出しが増え、景気が刺激されるかというと、一概にそうとは言えない。景気が回復しない結果として物価が上昇しないディスインフレ状況が続き、欧州はデフレが円高を招いたかつての日本と同じ状況になっていくのではないか。

ECBは量的緩和など政策のオプションを残しているため、目先はユーロ高が是正される方向で動くだろう。ただ、最終的には欧州経済が減速していくことになるとみており、ECBはデフレ圧力とユーロ高を回避するために、政策を打たざるを得ない状況に追い込まれていく。ECBは、年後半から来年初には量的緩和に踏み出すだろう。

 ●デフレ払しょくに不十分、早くも催促相場か 

<岡三証券・債券シニア・ストラテジスト 鈴木誠氏>

欧州中央銀行(ECB)が追加緩和を決定した。為替市場はユーロがいったん急落したが、その後に持ち直した。ECBはユーロ安誘導に失敗した格好だ。

市場は、今回の追加策だけではデフレリスクの払しょくに不十分と判断。早くも次の一手に向けて催促相場が始まったのかもしれない。

金融機関は、金融規制の影響で過度なリスクを取りにくくなっている。中銀預金金利をマイナスに誘導したところで、融資が飛躍的に伸びるとも考えにくい。マネーの供給が経済の潤滑油として働きにくくなっているか、それとも融資先が少なくなっているのか、よくわからないが、景気浮揚に向けて過度に金融政策に傾斜する構図を再点検する必要もあるのではないか。

独国債利回りは徐々に日本の水準に近づくのではないか。結果として、米金利上昇が抑制され、米景気回復を後押しする流れが年後半にも出てくるとみている。

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