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日経平均が連日の大幅下落:識者はこうみる

[東京 12日 ロイター] - 12日の東京株式市場で、日経平均が連日の大幅安となった。下げ幅は一時700円を超え、一時は2月1日以来の2万8000円割れ。その後下げ幅は縮小した。市場関係者の見方は以下の通り。

 5月12日の東京株式市場で、日経平均が連日の大幅安となっている。写真は東京証券取引所で2016年2月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

<野村証券 エクイティ・マーケットストラテジスト 澤田麻希氏>

市場が最も注目しているのは、量的緩和策が縮小される時期がいつになるかという点だ。そこから米高官の発言に一喜一憂している状況となっており、当面はそうした状況が続くのではないか。米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて日本株は引き続き米国株式市場への警戒感を抱きながら動くことになるとみられる。

ただ、前日に日経平均が900円を超す急激な下げを演じた後であるため、時価水準では底堅く推移しそうだ。テクニカル的にも2万8300円台は過去に何度か下げ止まったことが注目点になる。

投資家は悲観一色になっていない。前日に事前予測を上回る決算を発表したシャープが堅調を保つなど、好業績銘柄を個別物色する動きが、株価全体を下支えすることになりそうだ。そうした意味で、本日後場の立ち会い時間中に決算発表をした後のトヨタ自動車の動きが関心を集めそうだ。

<みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト 三浦豊氏>

後場に入ってから一段と下げが厳しくなったのは、米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて米国株式市場の大幅下落が懸念されているほか、台湾株式市場の急落が売り材料として重なったためだと思う。テクニカル面では、下値の目安となっていた3月安値を割り込み、2万7000円─2万7500円を次の目安として探る動きとなっている。

これまで米国株式市場の堅調を手掛かりに上昇してきたことから、反転するきっかけとなるのは、米国株式の落ち着き以外は見当たらない。国内では企業業績について好決算が目立つものの、期待値が高いために多少の伸びでは評価されず、むしろ売り材料と化している。

米金利など環境面に不透明感があるうちは、目先の買い材料が見当たらないことで、日本株は自律反発を繰り返しながら不安定な動きが続くのではないか。

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト 藤戸則弘氏>

日本株には積極的な買い主体が見えなくなっている。一時的かもしれないが、外国人投資家から利益確定の売りが出てくると、前日ときょうのような弱い相場になりやすい。

目先では、米消費者物価指数(CPI)への警戒感があるほか、バイデン米大統領がキャピタルゲイン課税の増税を打ち出しており、外国人投資家は株価が高いうちの益出しを誘引されやすい。もともと5月は外国人投資家が6月中間決算を控え、調整売りが出やすいシーズンでもある。

ハイテク株だけでなく、海運や鉄鋼、非鉄金属といった景気敏感株にも利食いが広がっており、ダウンサイドリスクが意識されてきている。さらに、日本株の弱地合いの底流には、新型コロナウイルスワクチン接種の欧米に対する遅れがある。接種ペースが改善して経済正常化で欧米に追いつけなければ、株価で劣後した状況は続くだろう。

足元の買いは、ショートカバーか個人投資家くらいだ。日本市場で過去5年間、最大の買い主体となってきたのは日銀だが、前日はTOPIXが前場に1.98%下げてもETF買いに動かなかった。前回は2.17%安で買っていたため、日銀ETF買いの基準として「2%安」という思惑が出やすい。仮に2%安が基準であれば、日銀が買い入れ枠を年間6兆円に拡大した16年8月以降に27回しかなく、需給面でのサポート機能は相当弱まりそうだ。

株価が下がればバリュエーションに着目した年金など長期資金の買いも見込まれるが、割安感が出てくるのはもう少し下の水準だ。目先の下値めどは1月29日安値の2万7629円80銭だが、割安感を考慮すれば2万7000円を割る場面もあるかもしれない。

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