January 23, 2018 / 9:19 AM / a month ago

日銀総裁、金融緩和の継続姿勢を強調:識者はこうみる

[東京 23日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は23日、金融政策決定会合後の記者会見で、物価は「2%の目標になお距離がある」として、大規模な金融緩和を縮小する出口対応の局面に至っていないと指摘、現在の大規模な金融緩和を継続する姿勢を改めて強調した。市場関係者の見方は以下のとおり。

●日本株の重し後退、タカ派織り込み一巡も

<SMBC信託銀行 シニアマーケットアナリスト 山口真弘氏>

今年に入り、日銀によるオペ減額を契機に、市場では「出口」への思惑がにわかに高まっていた。この点について総裁からは、実務的な対応であり政策的な含意はないとの趣旨の説明があった。総裁の説明によって、市場のタカ派織り込みが一巡し、株式相場の重しが取れる可能性がある。

このところ、ドル/円と株価の相関は崩れてきている。ドル/円が110円に近づいた場面では、さすがに株価も弱地合いとなったが、その後の持ち直しは株価の方が目立っている。株式市場は日銀が政策を変更できないことを見透かしており、「出口」の接近を本気で警戒しているわけではないからだろう。

もっとも、総裁会見では、ハト派寄りに揺り戻したいような印象までは見受けられなかった。積極的に日本株を買い上がる材料にもなりそうにない。今後も物価や相場が上昇するような局面では、折にふれて「出口」への思惑はくすぶるだろう。

●市場に言質与えず

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニアマーケットエコノミスト 六車治美氏>

日銀が展望リポートで示した経済・物価見通しの中央値は、前回(10月)から変更がなし。また、2%物価目標に到達する想定時期も2019年度ころに据え置かれた。今回の展望リポートで、日銀が金融政策の正常化の糸口を探っている、あるいは地ならしをしていると捉えられるような要素は見当たらなかった。

黒田総裁の会見も展望リポートに沿った内容。水準を切り上げる株価に関連して、ETF買い入れの見直し論はごく一部の議論だとして否定した。正常化への思惑がくすぶる市場に言質を与えなかった。

黒田総裁は、3月決算期が徐々に意識される中で、円高・株安の材料を与えたくなかったのではないか。日銀の総裁・副総裁人事を控えていることも、慎重な発言につながったのだろう。今後は新執行部発足後、4月会合で現行政策に変化が出てくるのかが注目されるだろう。

●従来スタンス維持、円買いの糸口つかませず

<あおぞら銀行 市場商品部部長 諸我晃氏>

黒田総裁の会見中に円売りが強まり、ドルは111円前半に上昇した。1月9日の国債買い入れオペ減額で海外勢を中心に緩和縮小への思惑が強まっていたが、総裁は、出口検討のタイミングに至ってないと否定。ETFの買い入れも現時点で見直す必要はないとした。投機筋に仕掛け的な円買いの糸口をつかませなかった。

オペの金額やタイミングについても、需給や市場の動向を踏まえて実務的に決定されるとし、日々のオペが先行きの政策スタンス示すことないと述べた。

展望リポートでは、中期的な予想物価上昇率の判断を前回10月の「弱含み」から「横ばい圏内」に上方修正した。予想物価上昇率が上昇してくれば、出口の思惑が強まり、円高に進む可能性がある。2018年後半以降、政策運営の舵とりが難しくなるため、黒田総裁の続投を期待する向きも多いと思う。

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