[東京 19日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は19日午後の参院予算委員会で、日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現に必要ならば何でもやるとし、政策手段も十分にあると強調した。
大久保勉委員(民主)の質問に答えた。
日銀は2013年4月に導入した現行の量的・質的金融緩和政策(QQE)の下で、大規模な国債買い入れを進めており、QQEの限界を指摘する声も出ている。これに対して黒田総裁は「2%の物価安定目標を実現するために必要であればできることは何でもやる」と目標達成にあらためて決意を示すとともに、「そのために必要な政策手段は十分に有している」と限界論を否定した。
日銀による大規模な国債買い入れは「あくまでも物価安定目標を実現する金融政策が目的」とし、「財政ファイナンスとは考えていない」と主張。国債市場の流動性低下を招いているとの指摘についても「国債市場の流動性には常に関心を持っている」としたが、「現時点で国債市場の流動性が非常に低下しているとか、問題が生じているということはない」との認識を示した。
また、同委員会で安倍晋三首相は、最近の株安を「注視している」とし、「リーマン・ショックや東日本大震災級のショックがあれば直ちに対応することが大切」との見解を示した。その上で「政府と日銀が一体となって2%の物価安定目標の達成を目指し、経済をしっかりと成長させていく」と述べ、「現下の経済情勢もしっかり注視しつつ、適切に対応していきたい」と語った。
伊藤純夫
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