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日銀総裁、家計値上げ許容発言を撤回 「全く適切でなかった」

 6月8日、日銀の黒田東彦総裁(写真)は衆院財務金融委員会で、家計が値上げを許容しているとの見解を示した6日の講演内容は「全く適切でなかった」とし、「発言は撤回する」と述べた。写真は都内で2016年2月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は8日の衆院財務金融委員会で、家計が値上げを許容しているとの見解を示した6日の講演内容について、「全く適切でなかった」として「発言は撤回する」と述べた。桜井周委員と野田佳彦委員(いずれも立民)への答弁。

総裁は、家計が「苦渋の選択として値上げを受け入れているのは十分承知している」と説明した。

金融政策の運営に関しては、資源価格の上昇により海外への所得流出が起きる中で良好なマクロ環境を実現できる不確実性は高いとしつつ、緩和を続け賃金が上昇しやすい環境を醸成したいと語った。

黒田総裁は6日の講演で「企業の価格設定スタンスが積極化している中で、日本の家計の値上げ許容度も高まってきているのは、持続的な物価上昇の実現を目指す観点からは重要な変化だ」などと指摘した。この発言について7日には「誤解を招いた表現だったということで申し訳ないと思っている」などと述べ謝罪していた。

<急激な円安への批判・不満、承知>

一方、為替の円安について黒田総裁は「日本経済への影響はさまざまなマクロモデルでもプラス」とし「全体としてプラス」との考えを改めて述べた。同時に「影響は業種によって不均一」とも指摘。「短期間の大幅な為替変動は、企業の事業計画の策定を困難にし、望ましくない」と語った。

円安で疲弊する零細中小企業の動向については、日銀としても「最大限努力して把握していく」と強調。「急激な円安にさまざまな批判・不満が表明されているのは承知している」と述べた。

金融政策は、為替の経済への影響などを踏まえて運営するのが必要と改めて話した。

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