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5月の中国貿易統計、輸出入とも予想大幅に下回る

[北京 8日 ロイター] - 中国税関当局が8日発表した5月の貿易統計は、輸出が前年同月比1.0%増、輸入が同0.3%減、貿易収支は204億ドルの黒字だった。

6月8日、中国税関当局が発表した5月の貿易統計は、輸出が前年同月比1.0%増、輸入が同0.3%減、貿易収支は204億ドルの黒字だった。写真は中国の国旗。広東省で2009年7月撮影(2013年 ロイター/Bobby Yip)

ロイターがまとめた市場予想は、輸出が7.3%増、輸入が6.0%増、貿易収支が193億ドルの黒字だった。

輸出の伸び率は昨年7月以来の低水準。輸入も予想に反して減少しており、中国経済の減速に対する懸念を強める格好となった。

中国の輸出は今年、毎月2ケタの増加となっていたが、アナリストの間では、貿易決済を装った人民元の投機取引や香港の保税倉庫への輸出が背景ではないかとの見方が広がっていた。その後、政府はそうした行為の取り締まりを強化。今回の貿易統計は、同国輸出産業の厳しい実態をこれまでよりも正確に映し出したといえる。

RBSのエコノミスト、ルイス・クイジス氏は「前年比ベースの輸出の大幅な減速は、輸出を装った資金流入の取り締まりが一因だろう。いずれにせよ、為替レートの見通しの変化で、そうした資金移動の魅力は低下している」と指摘。「現実の輸出の前年比伸び率は、非常に低い。前年同月の輸出が好調だったこと、世界経済の低迷、為替レートの大幅上昇が背景にある」と述べた。

<第2・四半期も低迷か>

中国では弱い経済指標が相次いでおり、第2・四半期の経済も低迷するのではないかとの懸念が出ている。スタンダード・チャータードのエコノミスト、シェン・ラン氏は「貿易統計は、内需と外需の低迷を反映している。第2・四半期の景気回復ペースは予想を下回るだろう」と述べた。

地域別では、対米輸出が1.6%減と、3カ月連続の減少。対欧州連合(EU)輸出は9.7%減で、やはり3カ月連続の減少となった。対日輸出は5.7%減だった。

税関当局は、貿易統計の低迷について、国内経済成長の鈍化、外需の低迷、企業の営業コスト高、元高、貿易環境の悪化を挙げたが、「香港への裁定取引が基本的に抑制され、本土と香港の貿易が急減した」ことも認めた。

香港への輸出は7.7%増で、前月の57%増を大幅に下回った。

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