[東京 10日 ロイター] - 政府の東京電力(9501.T)福島第1原子力発電所廃炉対策推進会議(議長:茂木敏充経済産業相)は10日、1─4号機の廃炉に向けた中長期工程表の改訂に向けた「検討のたたき台」を発表した。
燃料取り出しなど号機ごとの状況を踏まえたスケジュールを示したほか、溶融燃料の取り出しを最速ケースで2020年6月ごろと現行計画から約1年半前倒しした。廃炉に向けた30─40年という期間に変更は変更ない。
現行計画では、政府が11年12月に「冷温停止状態」を宣言してから10年以内(2021年12月まで)に、初号機の溶融燃料の取り出しを開始するとしていたが、茂木経産相による「号機ごとのスケジュールを示すべき」という考えを踏まえ、改訂版のたたき台を取りまとめた。福島県、地元自治体、有識者などからの意見を聞き、今月中をめどに改訂版を取りまとめる。
使用済み燃料プールに貯蔵されている4号機の燃料取り出し開始目標は1カ月前倒しして13年11月とし、完了目標は1年前倒しして14年末頃とした。
廃炉に向けて困難な工程となる溶融燃料の取り出し作業(対象1─3号機)の開始時期は、1号機で20年度上半期─22年度下半期、2号機で20年度上半期─24年度上半期、3号機で21年度下半期─23年度下半期、との期間を提示した。いずれも複数のプランを用意し、各プランの成否の見通しを踏まえ、溶融燃料取り出しの開始時期のシナリオが変わる。
改訂案では、溶融燃料の取り出しは、炉心損傷に至った米国スリーマイル島原発事故(1979年3月発生)と同様に、冠水させた状態で取り出す方法が作業被ばく低減の観点から最も確実な方法としている。
溶融燃料の取り出しに向けた課題について、同推進会議事務局の担当者は、「(溶融燃料の)性状がどのようなものであるのか、掴めるのかということを見極めながら装置を作っていく。スリーマイル島では経験しなかった状況もあるが、今回、号機ごとのスケジュールを具体化できるようになったという意味で(技術開発の)着実な進展がある」(経産省原子力発電所事故収束対応室の舟木健太郎室長)などと説明した。
浜田健太郎)