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FOMCは不透明感払しょくが焦点、リスクオンなら株高・円安再開も
2013年6月19日 / 05:43 / 4年後

FOMCは不透明感払しょくが焦点、リスクオンなら株高・円安再開も

[東京 19日 ロイター] - 19日に声明が発表される今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の不透明感を払しょくできるかがポイントになる。量的緩和第3弾(QE3)の早期縮小観測を後退させるような声明文や発言があれば、リスクオンによる株高・円安トレンドが再開しやすい。

6月19日、今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の不透明感を払しょくできるかがポイントになる。都内で12日撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

一方、QE3早期縮小が示唆されたとしても、利上げはかなり先になるとの方向性を明示し、経済状況次第で縮小ペースを変えることが示されれば、不透明感が薄らいでリスクオンに傾きやすいという。反対に明確な方向性が示されず、不透明感が残る状況では、市場もボラタイルな状態が続く可能性がある。

<QE3縮小観測が後退する場合>

FOMC声明の内容とバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の会見では、大きく分けて2つのシナリオが見込まれている。1つはQE3早期縮小観測を後退させるような文言や発言が出る場合だ。

5月後半からの世界的な株価や新興国通貨の下落は、5月22日にバーナンキ議長が議会証言で、QE3の早期縮小を示唆したとも受け取れる発言がきっかけになった。議長は経済次第では緩和強化もありうると両にらみの発言を行っているのだが、市場では金融相場を支えている過剰流動性の縮小の可能性を強く警戒する動きとなった。

このため早期縮小観測に強く傾いた市場のバイアスをニュートラルに戻すために、ハト派的な発言を行うのではないかとの見方が出ている。「中国や欧州などグローバル経済は依然弱く、米国内もディスインフレ傾向にある。現時点ではQE3をしばらく続けるメリットのほうが大きい。失業率が6.5%に低下するまでは緩和を継続するということを再確認する発言を行うのではないか」(T&Dアセットマネジメント・チーフエコノミストの神谷尚志氏)という。

このケースでは、リスクオン心理によって株高が再開する可能性がある。米緩和継続を好感して米金利が低下すればドル安/円高要因だが、為替市場が日米金利差よりもリスクオンを重視すれば円安に振れ、日本株は米株高と円安のダブルメリットを受けることができる。

ただ、米経済は緩やかながら改善を続けており、市場ではいずれ緩和縮小に向かわざるを得ないとの見方も多い。金融政策に対する先行き不透明感が残るようであれば、市場の不安定さは続く可能性がある。

<QE3縮小観測が前進する場合>

もう1つのシナリオは、早期縮小観測を前進させるような声明文や発言が出る場合だ。金融相場を支えてきた流動性縮小懸念につながり、リスクオフの株安が進む可能性がある。米金利が上昇すれば、ドル高/円安要因だが、リスクオフを重視すれば円買いが進む可能性もある。そうなれば日本株にとっては米株安・円高のダブルパンチとなる。

ただ、市場ではQE3縮小を早く示してくれたほうが、リスクオンに傾きやすいとの声も多い。米経済は住宅市場など緩やかながらも改善傾向にあり、いずれ緩和縮小に至るのは間違いないのだから、QE3縮小の時期や方法など具体的な「道筋」をきちんと示したほうが、不透明感は薄らぐという。

「不透明感こそが市場を混乱させた要因だ。米経済は改善しているのだから、利上げにはまだ遠く、QE3縮小も経済状況次第でペースを変化させるということをきちんと説明してくれた方が、不透明感が払しょくされ、リスクオンの株高・円安が進みやすい」と東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏は話す。

IMM通貨先物の取組によると、投機筋の円ショートポジションは、6月11日までの週で前週の8万2744枚から7万2906枚に減少しているが、依然高水準だ。「ショートカバー圧力が大きいともいえるが、この円高局面でポジションを減らしていないのは、円安再開を期待しているからではないか」(外資系証券)との指摘もある。

三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの濱崎優氏は「5月後半以降の円高と株安で、投資家のポジションはかなりニュートラルになったようだ。FOMCで市場の不透明感が薄らぐような材料が出れば、円安・株高トレンドが再開する可能性もある」との見方を示している。

<不透明感が残る場合>

一方で、不透明感が依然残るシナリオもある。米経済は改善しているとはいえ、生産などは依然低調で足取りは弱い。ディスインフレ傾向も懸念される。明確な方向性を示すことにはリスクも大きく、不透明感を残したままFOMCが終わる可能性もある。その場合は、市場の高いボラティリティが維持され、不安定な相場が続く見通しだ。

バーナンキ議長の退任観測も不透明感を強めている。オバマ米大統領はテレビ番組のインタビューで、バーナンキ議長について、議長自身が当初考えていたよりも長く議長職にいるとの見解を示し、交代を模索している可能性を示唆した。議長のFRB理事としての任期は2020年1月31日で再任も可能だが、G7やジャクソンホール会合の欠席もあって、第2期目の任期が切れる来年1月31日に退任するとの見方が広がっている。

グリーンスパン前議長が退任した2005年当時は、FOMCの開催ごとに0.25%利上げする政策を続けており、大統領の新議長指名、承認までの間に政策変更を検討する可能性は低かった。しかし、今回はQE3縮小という微妙な時期に差し掛かる。市場では、退任をかなり織り込んでいるが、次期議長が決まるまでは相場の不安定要素として残るかもしれない。

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