June 19, 2013 / 7:23 AM / 7 years ago

政策対応ににじむ日銀の柔軟姿勢、固定オペ延長も必要なら検討

[東京 19日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は19日、国会での半期報告と質疑の中で今後の金融政策運営に関し、経済・金融状況の変化に応じた政策調整は「当然」などと発言し、柔軟な姿勢をにじませた。

6月19日、黒田日銀総裁は、国会での半期報告と質疑の中で今後の金融政策運営に関し、経済・金融状況の変化に応じた政策調整は「当然」などと発言し、柔軟な姿勢をにじませた。写真は都内で撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

上昇基調にある長期金利の動向については、ボラティリティ(変動率)の抑制に向けた強い決意を示すとともに、固定金利(0.1%)オペの期間延長も必要と判断すればあらためて政策委員会で検討する考えを示した。一方、長期金利の上昇を回避するには、政府による財政規律維持の対応が欠かせないとの認識を表明した。

<異次元緩和、2年間動かさないということではない>

黒田総裁は、4月に導入した「量的・質的金融緩和」について「極めて大規模」とし、日銀が掲げる2%の物価安定目標を2年程度で達成するために必要かつ十分な措置との考えをあらためて示した。

一方で、金融政策の利点は「機動性と弾力性」とも述べ、経済・金融情勢が変化すれば「当然ながら、それに対応した措置、調整を行う」と表明。異次元緩和は「一切、2年間動かさないということではない」とし、「経済・金融の状況が大きく変化し、4月に決めたものが不十分あるいは過剰であれば、必要な上下方向の調整は考えられる」と語った。

<金利上昇回避に全力、固定オペ延長も選択肢>

不安定な地合いにある円債市場の状況についても、長期金利の高騰回避に最大限努力するとの方針を強調。具体的には、国債買い入れの弾力化によるボラティリティの上昇回避に努めるとともに、必要と判断すれば固定金利オペの期間延長をあらためて検討する可能性があることを示した。

固定金利オペは現在1年以内となっているが、2年以上に延長すれば「ボラティリティの抑制により効果的だ」とし、「未来永劫やらないということではない。必要性が出れば政策委員会で審議し、賛成が得られれば1つのツールにする」と選択肢にあげた。

6月会合で延長を見送った理由については、足元で市場が落ち着いてきていることに加え、長期の資金供給によって政策意図が誤解される懸念もあったことを明らかにした。その上で「現在のマンデートの中で努力して安定を図るということだ」と説明した。

<長期金利上昇、緩和意図が混乱招いたなら遺憾>

この間の長期金利の不安定な動きについて「緩和の意図について混乱を招いたものがあったとすれば遺憾であり反省したい」とし、「これからはよく説明していきたい」と発言。現状は、国債買い入れの頻度や額の見直しなどオペの弾力運営によって「ある程度、長期金利は落ち着きを取り戻してきている」とし、今後も巨額の国債買い入れの継続で、長期金利には下方圧力がかかり続けると語った。

<財政への信認が重要>

一方、総裁は大量の国債買い入れが日銀による財政ファイナンス(穴埋め)と受け止められれば長期金利が高騰する可能性があるとし、「財政運営への信認が重要」と政府に対して財政規律の維持を要請。2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指す政府の財政健全化目標は「極めて適切」と評価した。

<出口戦略、FRBを十分参考>

また、総裁は異次元緩和の出口戦略について、2%の物価安定目標の早期実現を目指して「量的・質的金融緩和」を導入したばかりとし、現時点の出口議論は「時期尚早」と主張した。

一方で、2%目標を達成し、出口戦略に着手するタイミングでは、出口議論が高まっている米連邦準備理事会(FRB)を「十分参考にして適切に対応する」と語った。

(伊藤 純夫 竹本 能文 編集;田巻 一彦)

*情報をさらに追加して再送します。

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