June 24, 2013 / 7:38 AM / 6 years ago

自公圧勝に水差した中国株安・米金利上昇、資金巻き戻しに警戒感

[東京 24日 ロイター] - 東京都議選で自民・公明両党が圧勝したことによる日本株高・円安ムードに水を差したのが、中国株安と米金利上昇だ。短期金利上昇が続く中国では株安が止まらず、他市場からの資金巻き戻しが警戒されている。

6月24日、東京都議選で自民・公明両党が圧勝したことによる日本株高・円安ムードに水を差したのが、中国株安と米金利上昇だ。写真は7日、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)

米金利上昇はドル高/円安要因だが、ヘッジファンドなどが米債投資での損失を拡大させれば、日本株を含めたエクスポージャー削減につながりかねない。安倍晋三政権による参院選後の大胆な政策実行に期待が高まる一方で、外部環境の不透明感が強まってきており、マーケットの慎重な雰囲気は晴れないままだ。

<自民圧勝は株高・円安要因>

週明けの日経平均.N225は前日比196円高の1万3426円で寄り付き、21日の日経平均先物9月限(円建て)の終値1万3340円を大きく上回るスタートとなった。前週末の水準から大きく上振れた要因は、都議選での自公圧勝だ。

勝利はある程度予想されていたものの、7月参院選の前哨戦と位置づけられる同選挙で、自公両党がそろって全員当選という圧勝になったことが好感された。「政権与党が勝つのは、景気などに対し国民が一定程度満足していると海外勢は判断しやすく、日本株買いに動く材料となる」(大和証券・チーフテクニカルアナリスト、木野内栄治氏)との期待が強まっている。

アベノミクス継続は円安要因でもある。デフレ脱却や金融緩和への期待が円売り材料となる。24日早朝にドル/円は98.51円まで上昇し、11日以来の高値を付けた。市場では「参院選でもさらに勝利が予想されるので、ドル/円の買いに安心感が出ている」(大手信託銀行)との声が出ていた。

「株高、円安が勢いを失い、市場が乱高下する中にあっても、安倍政権への支持は揺らいでいないようだ。こうした中で7月の参院選で与党が過半数を獲得し、ねじれ国会が解消されるシナリオは、いっそう明確になってきた。海外ヘッジファンド勢にとっても、東京で与党圧勝のニュースは、アベノミクス継続を再認識させる安心材料となるだろう」と野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は話す。

参院でのねじれが解消されれば、安倍政権は次回参院選までの最低3年、「安定政権」を確保することができる。「安全志向」に切り替わり、既得権益に切り込まず構造改革も中途半端で終わるおそれもあるが、現時点では「安定政権」をバックに大胆な改革策や成長戦略などについて、参院選後に打ち出してくれるとの期待感が市場では大きい。

<中国からのマネー引き揚げに警戒>

だが、ポジティブムードも長くは続かず、日経平均は寄り付きが日中高値となり、徐々に上げ幅を縮小、午前中盤にはマイナス圏に沈んだ。国内の明るい材料が出る一方で、中国株安と米金利上昇という外部要因が不透明感を増しており、積極的に上値を追う買いは乏しくなっている。東証1部売買代金は1兆8962億円と2兆円に届かなかった。

中国人民銀行(中央銀行)が24日、市場には十分な資金があるとの見解を示したことなどもあり、翌日物レポ金利など短期金利はやや落ち着き始めている。だが、今度は株価が急落するなどマーケットの混乱が続いている。

滬深300指数.CSI300は24日に6%安となり、昨年12月半ば以来となるザラ場安値を付けた。上海総合指数.SSECも5%の下落となり、昨年12月以来の水準まで下落している。週末の新華社の報道で、中国当局によるシャドーバンキング(影の銀行)規制が示唆されたため、本土系銀行株が大幅安となった。

足元の状況について「中国株市場では、政府が経済成長よりも規制などを重視しているのではなかとの懸念から、換金売りが強まっている。アジアや日本、米国などに投資していたマネーも巻き戻されるのではないかとの懸念もあり、世界のマーケット全体を圧迫している」(東洋証券・投資情報部シニアストラテジストの檜和田浩昭氏)という。

ちばぎん証券の調べでは、中国の政府系とみられる投資ファンドは、今年3月末時点で少なくとも日本の上場企業174社に4兆2447億円を投資している。ただ、ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏は「昨年の尖閣問題を経ても、日本株の保有は減らなかった。多少のことでは減らさないだろう」との見方を示す。

<米金利上昇による日本国債への影響懸念>

一向に止まらない米金利上昇も懸念要因だ。米緩和縮小観測の背景には米国の景気回復があり、米金利の上昇局面は日本株のパフォーマンスが良いことでも知られる。ただ、市場では中国などが米国債の保有額圧縮に動いているのではないかとの思惑もあり、警戒感が強い。

10年米国債利回りは、これまでの壁だった2.4%を突破し、2.6%付近まで上昇している。日本株にとって米金利上昇はドル高/円安要因だが、東京市場では「このまま金利上昇が止まらなければ、損失をこうむるヘッジファンドも増えそうだ。益出しなどでエクスポージャーを減らす中で、日本株買い・円売りポジションが縮小されるかもしれない」(準大手証券)との声が出ている。

24日の10年最長期国債利回りは0.875%と前週末比横ばいだったが、世界の金利の「基準」である米金利の上昇は、日本国債にも少なからず影響を与える。「米緩和縮小観測を背景にした大規模なポジション調整が米国債市場に起きている。少なくとも6月いっぱいは続きそうだ。日本国債は日銀オペの期待もあり、0.8─0.9%水準が抵抗線になっているが、米金利が3%に向かって上昇するような場合は、1%超えをトライすることになろう」とBNPパリバ証券・チーフ債券ストラテジストの藤木智久氏はみている。

伊賀 大記 編集:田巻 一彦

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