June 25, 2013 / 4:08 AM / 5 years ago

焦点:中国企業がシャドーバンキングに力、不動産投機や不良債権の懸念

[北京/上海 24日 ロイター] - 中国企業は景気が減速する中でも利益を維持しようと、工夫を凝らしたシャドーバンキング(影の銀行業務)に力を入れている。この資金が不動産投機などに回り、ゆくゆくは不良債権の増大を招きかねないとの懸念を呼んでいる。

6月24日、中国企業は景気が減速する中でも利益を維持しようと、工夫を凝らしたシャドーバンキング(影の銀行業務)に力を入れている。北京で21日撮影(2013年 ロイター/Jason Lee)

過剰設備に苦しむ一方で融資獲得が容易な大手国有企業は、借りた資金を設備投資に回さず、時として基準貸出金利の数倍の金利で中小企業に貸し出している。これは中国当局が取り締まろうとしている非公式な貸出市場の一種だ。

3兆7000億ドル規模に達するいわゆるシャドーバンキング市場の中で、最も急拡大しているのが「信託融資」と「銀行引受手形」だ。

両者の発行総額はことし1─4月に1兆6000億元(2610億ドル)と、前年同期の6360億元の倍以上に増加した。山東省の国有鉄鋼企業の副総支配人は「われわれは資金を生産拡大に使えるだろうか。絶対に無理だ。生産すればするほど損が出る。他の経路に頼らざるを得ない」と述べ、同社は鉄鋼を1トン売るごとに平均100─200元の損失を出していると説明した。

中国の景気が減速する中、資金貸し出しは事業の選択肢として魅力を増しているが、不良債権化が懸念されている。

実際、債務は中国にとって最大の金融問題になりつつある。政府は過剰設備を抱えた産業への新規資金流入を抑制すると表明。シャドーバンキングが資産価格バブルを生むと懸念しており、中国人民銀行(中央銀行)はここ数週間、短期金融市場への資金供給を拒むことでバブルへの防御壁を打ち立てようと試みている。

シャドーバンキングが台頭したのは、正規の銀行貸し出しが大手国営企業の資金需要対応に専念しているためだ。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の推計では、中国のシャドーバンキング市場の規模は昨年末時点で3兆7000億ドルと、国内総生産(GDP)の44%に相当する。

同業のフィッチはこの比率を約60%と推計。正規の貸し出しとシャドーバンキングをひっくるめた与信総額は「強烈に拡大」しており、GDP対比で最大200%に及ぶとみている。

ソシエテ・ジェネラル(香港)の中国エコノミスト、ウェイ・ヤオ氏は「これは中国経済にとって極めて大きな問題だ。こうした裁定行為の存在は機会の乏しさを裏付けている。実体経済の拡大に結び付く機会が限られた一方で、金融市場では門戸が開かれているため、皆がそこに殺到するのは当然だ」と話した。

<新たな貸出手法>

信託融資においては、資金を提供するのは企業だが、他社への直接貸し出しを禁じる法律を迂回するため、企業は商業銀行を指定して特定の借り手への貸し出しを行わせる。金額や期間、金利を決めるのは貸し手の企業で、銀行は貸し手、借り手の双方から手数料を受け取るが、融資はバランスシート上に現れない。

ことし1─4月に実施された新規の信託融資は月平均1790億元と、昨年の月平均1060億元から増加した。

前出の鉄鋼企業の副総支配人は、銀行から基準貸出金利の6%前後で金を借りた後、その最大2倍の金利で借り手に信託融資を行っていると説明する。

河北省の政府系ガラス企業の総支配人は、同社は本業が減速するに伴い信託融資を増やしており、主に関連企業に対して金利6─7%前後で年初来3000万─4000万元を貸し出したと述べた。

民間企業もこうした慣行に追随している。上海の特殊化学メーカー、浙江龍盛集団(600352.SS)は2012年の年次報告に50件、総額30億元の信託融資を記載している。同社は子会社には金利6─7%で貸し出しているが、資本関係を持たない企業には最大25%を課す。

企業は銀行引受手形の購入も行っている。これは銀行が発行する譲渡可能な手形で、換金が可能だ。企業は手形売却代金の一部を使って融資を実行し、残りの資金で手形を買い増すため、資金と収入が回転し続けるわけだ。

ことしに入って発行された銀行引受手形は月平均2228億元と、昨年の月平均875億元の2倍以上に増えた。

<不動産投機の懸念>

最大の懸念は、新たに創出された資金が不動産投機に向かい、政府が過去3年間取り組んできた不動産バブル対策に水を差すことだ。5月の新築住宅価格は過去2年超で最大の前年同月比伸び率を示した。

人民銀大連事務所の統計部門幹部は、大連で昨年実施された信託融資のうち、約30%が平均12%の金利で不動産セクターに流入したと述べた。

人民銀重慶事務所の幹部は、国有企業関連の金融・融資保証企業がこうした融資の主な貸し手だと説明。「わが市では、こうした融資の50%かそれ以上が不動産セクターと地方政府の資金調達機関に流入していると推計される。信託融資の流入は両者の不良債権比率の押し下げに手を貸しているが、リスクはくすぶっており、景気が一段と減速すれば深刻な問題になりかねない」と語った。

(Aileen Wang、Lu Jianxin、Pete Sweeney記者)

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