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リスクオン再開に至らず、米株買いは「TINAトレード」
2013年6月27日 / 08:13 / 4年後

リスクオン再開に至らず、米株買いは「TINAトレード」

[東京 27日 ロイター] - 27日の上海総合指数.SSECがほぼ横ばいで引け、日本株も大幅に切り返したが、ドル/円の上値は重く、円債金利も低下してリスクオン再開には程遠いムードが広がっている。

6月27日、上海総合指数がほぼ横ばいで引け、日本株も大幅に切り返したが、ドル/円の上値は重く、円債金利も低下してリスクオン再開には程遠いムードが広がっている。写真は3月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)

米株買いは「TINAトレード」と呼ばれる消去法的な選択に過ぎないという。一部ヘッジファンドの決算期である6月を通過すれば、市場のムードは好転するとの期待もあるが、中国経済情勢の不透明感が濃く、来週は米国休場もあるため、長期投資家は依然として様子見を続けそうだ。

<アジア株が軒並み高>

前場の上海総合指数.SSECが7日ぶりに反発し、市場にはひとまず安心感が広がった。上海株自体は終値でマイナス圏に沈むなど依然不安定な動きだったが、香港ハンセン指数.HSIなどアジア株が軒並み高。日経平均.N225も4日ぶりに反発し、前日比379円高と1万3200円台を回復した。金価格などのコモディティ価格や豪ドルも買い戻された。

日経ボラティリティ指数.JNIVは35ポイントと依然高水準だが、6月13日のピーク46ポイントからは緩やかに低下している。日経平均の予想株価収益率(PER)は14倍台と割高感が薄らいでおり、買い戻しも入りやすい。「ボラティリティが徐々に低下し、ノーマルな相場展開に戻りつつある」(SMBCフレンド証券・シニアストラテジストの松野利彦氏)という。

ただ、東証1部売買代金は2兆1105億円と盛り上がりに乏しかった。ドル/円は97─98円付近のレンジでこう着感を強めている。円債市場ではカーブ上、割安な国債先物を中心に「ショートポジションがたまっている参加者が、買い戻しているようだ」(国内金融機関)とされ、10年最長期国債利回りは0.835%に低下した。

市場では「中国の金融市場がやや落ち着いてきたとはいえ、金融改革の行方に不透明感が強い。長期的には望ましい改革だとしても、短期的には混乱を招くおそれがある。長期投資家は積極的にポジションを積みにくい状況だ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)との声が出ている。

<消去法的な米株買い>

26日の米国市場では、1─3月期国内総生産(GDP)が下方修正されながら、量的緩和縮小の懸念後退と受け止め、米株が続伸した。25日の市場では逆に経済指標が良かったことが買い材料になっており、市場の材料判断はあいまいになっている。量的緩和策(QE3)の早期縮小観測で一時軟調だった米株だが、「とにかく買うという動きが強くなってきた」(大手証券)との声も出ている。

整合的ではないマーケットの背景には「There Is No Alternative(TINA)」トレードと呼ばれる動きがあるという。

QE3縮小懸念が強まってきたことで、グローバル投資家はそれまでのリスクオン・ポジションを巻き戻しているが、日本や欧州の株式市場はさえなく、新興国市場も軒並み下落とマネーの「逃げ場」は乏しい。

エクイティ中心の投資家は、消去法的に米株に資金を逃避させているとみられている。一部の足の速いマネーは、金利上昇が続く米債市場からシフトしているとの指摘もある。

野村証券・投資情報部エクイティ・マーケット・ストラテジストの村山誠氏は「5月下旬以来の世界株安局面でも米株は底堅かったので、下落するとすぐに押し目買いが入る。ただ、あくまで選択肢が他にないという消去法的な買いで、米株を積極的に評価する買いではないようだ。本格的なリスクオンが再開するには、中国経済などの不透明要素が晴れる必要がある」と話している。

<来週の米市場は薄商いか>

6月は決算期を迎えるヘッジファンドも多いため、ポジションの巻き戻しも激しかった。市場では「6月末を無事過ぎれば、ボラティリティも落ち着き、安心感が広がる」(国内証券)との期待も出ている。

ただ、7月第1週は米国の休場の関係で、様子見ムードが続くとの見方もある。7月5日は注目の6月米雇用統計が発表されるが、前日の4日が独立記念日で休場となるため、金曜日の5日を休んで4連休とする市場関係者が多いとみられている。「7月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、QE3縮小の発表はまだないだろう。6月雇用統計の注目度はもちろん高いが、勝負はまだ先だ」(国内銀行)という。

6月フィラデルフィア業況指数の雇用関係の指標が改善していたことや、足元の新規失業保険申請者数が減少傾向にあるため、6月米雇用統計は比較的堅調な数字になるとみられている。

三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「事前に薄商いのなかを仕掛ける短期筋がいるかもしれないが、長期投資家は様子見だろう。相場の方向感は、来週にはまだ出ない」との見方を示している。

伊賀 大記 編集:田巻 一彦

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