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コラム:2014年に投資家を驚かすのは誰か
2014年1月4日 / 05:32 / 4年後

コラム:2014年に投資家を驚かすのは誰か

[ニューヨーク/ロンドン/香港 31日 ロイターBreakingviews] - By Breakingviews columnists

12月31日、2014年の世界経済には困難が山積しているが、それらを正しく解決することができれば、良い意味で投資家を驚かすことができる。我々を驚かせてくれそうな指導者は誰か。写真は北朝鮮の金正恩第一書記。朝鮮中央通信社(KCNA)が提供(2013年 ロイター)

2014年の世界経済、金融、ビジネス界には、困難な仕事が山積している。しかし、そうした問題への期待は驚くほど低い。要するに、もしそれらを正しく解決することができれば、良い意味で投資家を驚かすことができるということだ。

ロイターBreakingviewsのコラムニストたちが、我々を驚かせてくれそうな指導者や最高経営責任者(CEO)らのリストを以下に挙げた。

●ジルマ・ルセフ(ブラジル大統領)

サッカーの2014年ワールドカップ(W杯)開催準備期間の6年間は、ブラジル経済の勢いを知らしめる格好の機会と思われた。しかし今、ブラジルはまさに最悪のタイミングで世界の注目を集めているかもしれない。

国営石油会社ペトロブラス(PETR4.SA)が国の干渉によって弱体化し、富豪エイケ・バチスタ氏は過剰さのシンボルとなったこと。そしてブラジルは利上げ政策を通してインフレと闘っているさなかにある。

だが、ブラジルが下り坂にあるとの見方は、ルセフ大統領にとっては好機となり得る。もし大きな混乱もなくW杯を成功裏に終え、財政的困難を回避することができれば、ルセフ氏は2014年の大統領選で再選を確実なものとし、16年のリオデジャネイロ五輪を大統領として迎えることができるだろう。

●米マイクロソフトの新CEO

米ハイテク企業大手マイクロソフト(MSFT.O)のかじを取るスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の後任探しは厄介であることが露呈した。その訳は、同社がモバイルコンピューティングへの移行につまずいた一方、主力事業であるパソコン市場が崩れつつあることが挙げられる。そのうえ、同社の精神的支柱であるビル・ゲイツ氏は引き続き会長職にとどまり、バルマー氏も筆頭株主となるだろう。

とはいえ、新CEOにも回復への道は残されている。企業向けソフトウエア以外の市場を追求し、資本を無駄にするというこれまで行われてきた戦略を変えることだ。バルマー氏やゲイツ氏が取締役会で重苦しい存在感を発しようとも、新CEOには事業を厳選し、安定した資産価値の高いマイクロソフトをつくり出す大きなチャンスがある。

●金正恩(北朝鮮第1書記)

金正恩第1書記がは、叔父の張成沢・元国防委員会副委員長を反逆罪で処刑したことは深刻に受け止めるべきことだ。北朝鮮国内での内部分裂が、金第1書記に他国との危険な対立を余儀なくさせるリスクがある。

しかし別の選択肢として、北朝鮮がようやく何らかの改革を受け入れることを決断する可能性もある。金第1書記が後者を選択するかもしれないという期待はこれ以上、下がりようがない。だが、もしそうなればポジティブなサプライズを引き起こし、なおのこと歓迎されるだろう。

●マックス・ボーカス(次期駐中国米大使)

次期駐中国米大使に就任する上院財政委員会のマックス・ボーカス委員長(民主党、モンタナ州選出)には厳しい1年が待ち受けている。中国が日本やフィリピンと対立する領有問題が過熱するなか、ボーカス氏には冷静な姿勢が求められる。米国の報道機関に対する中国の扱いも、健全な両国の貿易関係を脅かす恐れがある。また、2014年末で上院議員を引退する意向を示していた同氏がレームダック化する可能性もある。

だが、ボーカス氏は過小評価されている中国人民元について歯に衣着せぬ発言をしてきたし、大きな野心を抱く若い人よりも失うものは少ない。もし同氏が中国・日本・米国の軍事トライアングルのバランスを取りながら、通商と人権問題で強硬な態度を示すことができれば、米国は世界の警察としての輝きを取り戻せるかもしれない。

●ジョン・ベイナー(米共和党下院議長)

米連邦政府機関の一時閉鎖や債務上限引き上げ問題を受け、CNNによる世論調査では、米国民のわずか3割しかベイナー下院議長の続投を望んでいない。

ベイナー氏は12月、共和党内で予算案をめぐり妥協を取り付けた後に勢いを回復したが、同氏にとって最大の試金石となるのは、2014年の中間選挙だろう。春には債務上限引き上げ問題が再浮上するのは必至だ。保守派は有権者に良い印象を与えるため、不可欠な引き上げに反対する可能性がある。そうなれば、米国経済の安定のため、ベイナー氏が党内の保守派を退ける格好の時となり得る。

●リー・レイモンド(JPモルガン(JPM.N)の独立取締役トップ)

エクソンモービルの元CEOで、JPモルガン・チェースの独立取締役トップであるリー・レイモンド氏は、デリバティブ取引で60億ドルの損失を引き起こした「ロンドンの鯨」事件があったにもかかわらず、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOを完全に支持した。

しかしレイモンド氏は、ダイモンCEO後に向けた準備をすることによって、縁故的な取締役とのイメージを払しょくできるかもしれない。そのためには、少なくとも後継者の育成計画が必要だろう。もしくは、ダイモン氏を会長に据える一方で、最高財務責任者(CFO)を務めたことのあるマイク・カバナ氏やマット・ゼームズ共同最高執行責任者(COO)を含む若い候補者たちから新しいCEOを選出するなど、大胆な一手もあり得るかもしれない。

●アンシュ・ジェイン(ドイツ銀行(DBKGn.DE)共同CEO)

アンシュ・ジェイン氏がドイツ銀行の共同CEOに就任した1年目の2013年を総括するなら、12月に科せられた計21億ユーロの罰金に尽きる。クレジット・デリバティブなどの不正取引に関する捜査で、14年は訴訟が増える可能性もある。ドイツ最大の銀行である同行は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)など指標金利の不正操作をめぐる問題も片付いてはいない。

とはいえ、ジェイン氏が率いているのはトップクラスの投資銀行であり、向こう12カ月で巨額のコスト削減の大部分を終了する。ドイツ銀行の株価純資産倍率(PBR)は現在の約0.6倍から1倍に近づくかもしれない。

●ナレンドラ・モディ

ナレンドラ・モディ氏はインドの首相になる公算が大きい。投資家はモディ氏が2014年の総選挙で当選し、スタグフレーションと闘う抜本的改革を行うと考えているようだ。

サプライズは小規模だが意味深い問題に訪れるだろう。例えば、慢性的な不足を悪化させるような農産物のサプライチェーンといった問題を緩和することは、モディ氏が実用的で万能であるというイメージによく合うだろう。新聞の見出しに躍るようなマスタープランを好む人たちは、実際にインドの企業収益に改善が見られるまでは納得がいかないかもしれないが。

●アントニー・ジェンキンス(バークレイズ(BARC.L)CEO)

英銀大手バークレイズのジェンキンスCEOにとって2013年は不安定な1年だった。同行は、英規制当局がレバレッジ比率(総資産に対する株主資本の割合)を14年半ばまでに3%に引き上げるよう要求していることを受け、約60億ポンドの株主割当増資(ライツ・イシュー)を実施。同氏はほとんどリストラ計画を開始することができなかった。

しかし、14年に実施される新銀行自己資本規制(バーゼルIII)で、英当局が国内銀行に適用する条件を見ると、バークレイズの資本基盤はわずかだが改善するように見える。また、LIBORの不正操作における罰金も他の銀行の方が多く課されている。期待は高くないが、もしジェンキンス氏が信頼できる健全なバークレイズというビジョン実現へ向けて動き出すなら、失墜したグローバル銀行の数少ないヒーローの1人になれるだろう。

*筆者は「ReutersBreakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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