January 16, 2014 / 7:42 AM / 6 years ago

重さ残る日本株、「調整一巡」には疑問符

[東京 16日 ロイター] -日本株は年初からの調整が一巡したようにもみえるが、市場の警戒感は根強い。昨年末に株価を押し上げたヘッジファンドのロングポジションが依然溜まっているとみられているためだ。

1月16日、日本株は年初からの調整が一巡したようにもみえるが、市場の警戒感は根強い。写真は都内の株価ボード。14日撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

日本経済は堅調で、売り崩すような動きは出ていないが、利益確定売りが上値を押さえている。来期以降の企業業績の拡大見込みがはっきりするまでは、米金融政策など全体的な不透明感が強まる中で、重い相場が続く可能性が大きいという。

<ユニクロ株の逆行安に警戒>

日経平均.N225は16日午前の東京市場で一時132円高まで上昇。前日の386円高と合わせて518円高となり、14日の489円安を埋めて、再び1万6000円を目指す展開になった。力強い切り返しに、市場では「年初からの調整が一巡した」(国内証券トレーダー)との声も出始めた。

ただ、市場参加者の間では引き続き、調整継続に対する警戒感が強い。16日の市場でも上値を追うような買いはみられず、後場に入ると戻り売りに押されて日経平均はダレた。「S&P500.SPXは過去最高値を再び更新。日本株も急落後の窓を埋め、切り返してきた。ただ、調整が一巡したと言い切るには疑問符が付く」(野村証券・投資情報部エクイティ・マーケット・ストラテジストの村山誠氏)という。

警戒感が残るのは、ヘッジファンドなどのリスク・ポジションの巻き戻しが終わっていない可能性があるためだ。日経平均は昨年末にバブル崩壊後で最長タイとなる9連騰を記録したが、いわゆる「掉尾の一振」を演出したのは、彼らの買いだったとみられている。そのロングポジションの調整が一巡すれば、日本株は再び上値を追いやすくなるが、まだ途中であれば、利益確定の売りが出やすい。

年初から調整が続いたにもかかわらず、彼らのロングポジションがまだ残っているとの見方の裏付けとなっているのが、ファーストリテイリング(9983.T)の動きだ。16日前場の市場では日本株が上昇する一方、特段売り材料がないにもかかわらず1.8%下落となった。

日経平均を昨年末押し上げたヘッジファンドは、日経平均先物に加え、ファーストリテやソフトバンク(9984.T)、ファナック(6954.T)など指数寄与度の高い銘柄も大量に買い越したとみられている。それらの銘柄を買うことで効率良く、日経平均を押し上げることができるからだ。このため「ユニクロ株の逆行安は、まだ彼らのポジション調整が終わっていないことを示す」(国内証券)との指摘は多い。

「ヘッジファンドは昨年末の買いの規模が巨大だった。彼らの買いを経由しているとみられる一部の外資系証券の先物ロングポジションはまだ大きい。経済が堅調であり、売り崩すような動きにはならないと思うが、株価が上がれば利益確定売りが出てくる可能性があり、警戒が必要だ」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は述べている。

<海外長期資金は買い継続か>

一方、年金など海外の長期資金の日本株買いは継続しているもようだ。その資金の流入先の代表格とみられているのが、村田製作所(6981.T)だ。同社株は前日、11年11カ月ぶりに1万円台を回復。16日の市場でも利益確定売りをこなし、上値を伸ばしている。

スマートフォンなどの拡大で同社の増益期待は大きいものの、予想PER(株価収益率)は26倍程度と市場平均の16倍を上回っている。市場では「同社株は6000─7000円の水準イメージの株。1万円を超えて買えるのは、長期投資ができる海外年金などロングオンリーの資金だけだろう」(国内証券トレーダー)との声が出ている。

ただ、東証によると、2013年の外国人投資家の買い越し額は約15兆円と過去最高を記録している。さらに今年も昨年同様の規模で買い増してくれるとの期待は簡単には抱きにくい。

「アンダーウエートだった日本株をニュートラルに戻すなかで海外投資家の買いが膨らんだ。ニュートラルのままではせいぜい買っても2─3兆円だろう。買いの規模が大きくなるには、来期以降の業績拡大などの確率が高まり、オーバーウエートにさせることができるかがカギだ」と立花証券・顧問の平野憲一氏は指摘する。

日経平均採用企業の一株利益は、足元でやや落ち気味だ。昨年12月25日の991円がピークで、前日段階では962円まで低下している。小売りなど輸入企業が多い2月期決算企業の3─11月期業績が円安などでややさえなかったことが影響している可能性がある。

今後、発表される4─12月期業績で、輸出企業を中心として来期以降の持続的な増益基調の姿がみえてくるかがポイントになりそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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