January 28, 2014 / 6:32 AM / 6 years ago

FOMCで「霧」晴れず、緩和縮小見送りなら一段と不透明に

[東京 28日 ロイター] -市場を揺るがした新興国問題の背景には米量的緩和の縮小があるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過しても、市場を覆う「霧」は晴れない見通しだ。追加の量的緩和縮小が決定されれば、新興国からの資金流出を加速させるおそれがある。

1月28日、市場を揺るがした新興国問題の背景には米量的緩和の縮小があるが、米FOMCを通過しても、市場を覆う「霧」は晴れない見通しだ。ワシントンのFRBで昨年7月撮影(2014年 ロイター/Jonathan Ernst)

一方、縮小が見送られれば、投資家はシナリオ修正を迫られ不透明感を強めてしまう。リスクオフを加速させる要因となっても、安心感をもたらすようなイベントにはなりにくい。

<決定・見送り、いずれにせよリスク>

マーケットは小康状態。新興国通貨の下落は一服、中国理財商品のデフォルト回避が伝わり、リスク回避の売りが収まった。高インフレや財政赤字、債務償還など諸問題が解決されたわけではないが、いったん落ち着きを取り戻している。

ただ、28日の日経平均.N225は25円安と小幅ながら続落。ドル/円 も102円後半でもみあい商状だ。日経平均は直近3営業日で800円強、ドル/円は約2円下落したが、押し目買いの勢いは鈍く、反発力は弱いまま。市場では「下落リスクはまだ残っており、手を出しづらい」(国内信託銀行)と様子見気分が強い。

リスクイベントとして警戒されているのが、28─29日に開催されるFOMCだ。「新興国問題が起きた大きな背景は、テーパリングによる流動性縮小への懸念」(三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミスト、鈴木敏之氏)。前回に続き、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が決定されるとの見方が多かったが、追加のテーパリング決定は、新興国からの資金流出を加速させてしまうかもしれないとの警戒が強まっている。

かといってテーパリングを見送ることにもリスクがある。12月米雇用統計など、弱い経済指標はあるものの、総じてみれば米経済は依然堅調だ。新興国問題も先進国の実体経済に悪影響を与える段階ではない。そのなかで見送れば「毎回のFOMCで100億ドル減少というシナリオに修正が必要になり、米金融政策をめぐる不透明感が増す」(国内証券)という。

<3月まで不透明感続く>

今回のFOMCはバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の会見予定はなく、しかも同議長にとって最後のFOMCだ。手がかりは声明文だけであり、これからの金融政策を読み取る材料は乏しい。2月にFOMCの予定はない。

2月に予定されているイエレン氏のハンフリー・ホーキンス議会証言が待たれるが、タカ派と言われる新メンバーや大物副議長となる予定のスタンレー・フィッシャー氏が加わった「新FOMC」が実際にどのように運営されるかは、3月18─19日のFOMCまで明らかにならない。その間、金融政策をめぐる不透明感は払しょくされにくい。

財政からの圧迫要因が薄らぐ今年の米経済は「順調に推移する」と、多くのエコノミストが予想している。だが、1月米雇用統計に続き、2月も非農業部門雇用者数が下振れれば、大寒波による一時的な影響とわかっていても、市場が抱く米経済と金融政策のシナリオを揺るがしかねない。

「新興国問題にせよ、過ぎてしまえば世界経済を揺るがす問題ではなかったということになるのだろうが、昨年末にかけて過剰ともいえる楽観が市場で膨れ上がっており、その反動が今年は出やすい。3月のFOMCあたりまでは不安定な動きが続きそうだ」と野村信託銀行・資金為替部次長の網蔵秀樹氏は話す。

<途上国の資金フロー80%減少も>

米金融政策に対する不透明感は、新興国からの資金流出を加速させるおそれがある。

世界銀行は、テーパリングによって新興国への資本流入が約10%減少との基本シナリオを作成した。その規模は途上国の国内総生産(GDP)の0.6%に当たる程度だが、市場が急激に反応すれば、資金フローは数カ月間で80%程度減少する可能性もあると指摘している。

資金流出が続き通貨安が加速すれば、輸入インフレが進み、新興国は利上げで対応せざるを得なくなる。利上げは内需にさらにダメージを与えかねない。実際、インドは予想外の利上げに踏み切り、トルコも28日の中銀臨時会合で利上げを決定するとの見方が出ている。通貨安は経常収支を改善させる効果もあるが、それには時間も必要だ。

「米金融政策が正常化する途中での相場の振れの範囲であり、新興国の問題が世界経済を揺るがすことにはならないとみている。ただ、そうは言っても新興国問題でマーケットが揺れている最中であり、今回のFOMCはテーパリングの決定、見送り、どちらにしてもリスク要因になる」と、マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏は警戒感を示している。

伊賀大記 編集:田巻一彦

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