February 5, 2014 / 6:32 AM / 5 years ago

インタビュー:マグネシウム電池の開発に本腰=藤倉ゴム常務

[東京 5日 ロイター] -藤倉ゴム工業(5121.T)の神山幸一常務取締役は5日、ロイターのインタビューで、次世代電池として期待されるマグネシウム電池の開発について、「筋の良い技術で、本腰を入れてやるつもりだ」と述べた。スマートフォン用での利用については「ハードルは高いが、サンプル、デモ品はできる」と述べ、製品化は可能との認識を示した。

<スマホ充電、理論上は1カ月間なしでも>

マグネシウム電池は、東京工業大学の矢部孝教授が提唱する新型電池。実用化に向けて藤倉ゴムが技術協力し、昨年末には同電池を動力源とするカート(荷車)の走行試験にも成功している。

昨年12月20日、共同通信が実験成功を伝えると、400円台で推移していた藤倉コム株は、一時1750円の高値(1月9日)に急上昇した。5日午後2時46分、ロイターが神山常務の発言を速報するとストップ高となり、次世代電池に対する投資家の関心の高さを示した。5日終値は、前日比150円高の1019円。

矢部教授は今年1月、ロイターの取材で、電池の主流であるリチウムイオン電池に比べ、約7倍の電力が出せると説明。スマホ用充電池として使った場合、「1カ月間は充電せずに使用できる」という。1カ月間、充電なしという点について、技術畑出身の神山常務は「理論上はできる」と語った。

<リサイクルも可能、分散型電源にも>

矢部教授と藤倉ゴムが開発したマグネシウム電池は、フィルム状の薄膜のマグネシウムを円筒状に巻いて、少しずつ送り出して酸素と反応させて、電気を取り出す仕組み。燃料電池の一種で、電池としての容量が発電部の大きさに制約されず、燃料のマグネシウムを大きくすれば、その分、取り出すエネルギー容量を大きくすることができるのが特徴だという。

神山常務は「ガソリンを供給し続ければ、いくらでも走る自動車と同じ」だと説明する。矢部教授によると、使用後に生成される酸化マグネシウムは、半導体レーザーの照射によって再利用できるという。同教授は、将来的には分散型を中心に発電用も視野に入れている。

<ビジネスモデル確立が課題に>

神山氏は、マグネシウム電池について「とても価値のある、よい技術。うまく世の中に出していかないといけない」と指摘。「出力を上げたり、下げたりすることは難しくない。どういう用途から製品化したらよいか、矢部先生といろいろ相談している」などと語った。

有力視されるスマホ用充電池の開発について神山常務は「耐久性、品質保証をクリアしないといけない。(スマホを)落とす人、投げる人がいる。高温下、低温下で使えるのかなど、製品化はたいへん。携帯用もひとつの目標だが、そこがスタートかどうかは研究中だ」と述べた。スマホ用以外にも、「夜店のガソリン発電機の代替や、家庭用の非常用電源など、応用はいかようにもできる」(神山氏)という。

使用中は音を出さず、長時間使用できるので、ガソリン発電機に比べメリットは大きいと、神山氏は強調する。

製品化や量産工場の立ち上げなど、ビジネスモデルの確立がいずれ課題となる。矢部教授とは、藤倉ゴムOBを介して約1年前から協業が始まった。神山氏は「開発時期の日程や目標は内部にある。これなら世に出せるということは、もうすこしやってみないとわからない」と述べた。

(インタビュアー:浜田健太郎)

*内容を追加します。

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